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現代語訳 論語と算盤

渋沢栄一の有名書籍、論語と算盤を2度目ですが読んでみました。大河ドラマも始まるので、読み直すのにはちょうどいいタイミングかなと。

渋沢栄一は、約470社の設立に関わって、500以上の慈善事業にも関わった。日本資本主義の父、実業界の父と呼ばれノーベル平和賞の候補にもなった。

論語を小難しくとらえようとする学者は口やかましい玄関番のようなもの、孔子には邪魔者だ。こんな玄関番を頼んでみても、孔子に面会することはできない。

ソロバンは論語によってできている。論語もまた、ソロバンの働きによって、本当の経済活動と結びついてくる。だからこそ、論語とソロバンは、とてもかけ離れているように見えて、実はとても近いものである。

己を責めて人を責めるな。自分が立とうと思ったら、まず人を立たせてやる。自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得させてやる。

争いを避けないと同時に、チャンスが来るのを気長に待つということも、世の中を渡っていくうえでは必要不可欠なこと。

孟子は、敵国や外患がないと、国は必ず滅んでしまう。敵と争って必ず勝って見せる気概がなくては、決して成長も進歩もない。

己を知る。進むことばかり知って、身の丈を守ることを知らないと、とんだ間違いを引き起こすことがある。

喜怒哀楽は、バランスをとる必要がある。何事も常に走りすぎず、溺れすぎずを限度と心得る。誠実さを基準とする。

千里の道も一歩から、自分は今よりももっと大きなことをする人間だと思っていても、その大きなことは微々たるものを集積したもの。

一生涯を通じて大きな志からはみ出さない範囲のなかで工夫する。大きな志と小さな志で矛盾するようなことがあってはならない。

志を立てる要は、よく己を知り、身のほどを考え、それに応じて相応しい方針を決定する以外にない。

人情には陥りがちな欠点がある。成果をあせっては大局を観ることを忘れ、目先の出来事にこだわってわずかな成功に満足してしまうかと思えば、それほどでもない失敗に落胆する。こんな者が多い。

常識の原則である、智、情、意
智 人として知恵が充分に発達してないと、物事を見分ける能力に不足してしまう。
情 緩和剤で、何事も情が加わることによってバランスを保ち、人生の出来事に円満な解決を与えてくれる。
意 精神活動の大本ともいえる。強い意志さえあれば、人生において大きな強みを持つ。

志が多少曲がっていたとしても、その振舞いが機敏で忠実、人から信用されるものであれば、その人は成功する。

まっとうな生き方によって得られるならば、どんな賤しい仕事についても金儲けせよ。しかし、まっとうではない手段をとるくらいなら、むしろ貧賤でいなさい。

高い道徳を持った人間は、自分が立ちたいと思ったら、まず人を立たせてやり、自分が手に入れたいと思ったら、まず人に得をさせてやる。自分を愛する気持ちが強いなら、社会も同じくらい愛していかなければならない。

お金は社会の力をあらわすための大切な道具。お金を大切にするのはもちろん正しいことだが、必要な場合にうまく使っていくのも、それに劣らずよいこと。よく集めて、よく使い、社会を活発にして、経済活動の成長を促す。

論語の教えは、自分を律するのが主眼であり、人はこうありなさい。こうありたいといったように、消極的に人の道を説いたもの。

親や目上の者を大切にすることは、仁という最高道徳を身につける根本である。人に対して譲るべきものは相応に譲るのも道徳。

この品物をいくらで買い取って、いくらで売るからいくらの利益になることを、わざわざ公表する必要はない。不当なことさえしなければ、道徳の上で必ずしも不都合な行為にならない。

君主に仕えて、その身をよく捧げる。
仁 ものごとを健やかに育む
義 みんなのためを考える
礼 礼儀を身につける
智 ものごとの内実を見通す
信 信頼される
5つの道徳を押し広げていく。

細心にして大胆であれ。
リスクばかり気にすると決断がつかなくなり、弱気一辺倒に流れがちになる。全力を尽くして新しいことに取り組む勇ましい心が必要。

成功と失敗は、自分の身体に残ったカス
成功や失敗というのは、結局、心を込めて努力した人の身体に残るカスのようなもの。人は人としてなすべきことの達成を心がけ、自分の責任を果たして、それに満足していかなければならない。

自分一人が金儲けをする気は毛頭ない。色々な事業をおこして、大勢の人が利益を受けると同時に、国全体を富ましてゆきたい念願。合本法(株式組織)の道義的運営によって、富を分散させるべき。

論語と算盤は、渋沢栄一の考え方、資本主義と道徳を両立させるヒントがたくさん書かれた書籍でビジネスのヒントがたくさん書かれていて、とてもオススメの1冊です。

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