人が増えても速くならない
倉貫さんの新作が出たので買ってみました!開発の技術の話ではなく、どう開発していくのかのビジネスの話しで、経営者も必読です
プロダクトという共通の成果物と、目指す共通の目標を持つことで、システムは「依頼して作ってもらうもの」から「協働して一緒に作るもの」に変わる。そして、システムは完成を目指すものではなく、事業と共に改善を続けるもの
エンジニアが行っているプログラミングは、家を建てるという工程の中では、設計士のやっている仕事になる。建設現場で働く大工にあたるのはコンピュータ
「遅れているソフトウェアプロジェクトへの要員追加は、プロジェクトをさらに遅らせるだけである」 『人月の神話』に書かれた「ブルックスの法則」
優れたエンジニアは、ただのプログラムに詳しいだけでなく、業務やサービスについて知識があり、現実世界のことを理解しようとする
プログラムが読みやすいかどうかは、外から見てもわからない品質。いかに内部の作りが良い状態なのかは、後々の生産性に影響してくるため、ソフトウェアの世界では非常に重要になってくる
ずっと同じ生産性のままではなく、仕事の生産性を上げていくことで、より多く、より複雑な仕事にも取り組めるようになり、自分の価値も高まり、組織への貢献もできるようになる。仕事のやり方やプロセスを見直すことが欠かせない
「大きな機能の見積もりは、あくまで見通しである」一度に機能も期間も大きな約束をして、あとは出来上がるのを待つのではなく、1〜2週間単位で少しずつ確認しながら作っていく
不確実性の高い状態を解決するために、人を増やそうとしてもうまく行かない。より不確実性を増すことになりかねない。作りたいものを全部、一度に作ろうとしないこと
「変化に対して管理やコントロールをしようとするのではなく、あるがまま受け入れつつ柔軟につきあっていくこと」
ソフトウェア開発のあるあるを技術の人でなくビジネスの人にでも分かりやすく書かれていて、なぜ、人が増えても速く作れないのかを、事例を入れながら、丁寧に説明しています。ページ数も少なくコンパクトにまとめてあるので、読みやすくおすすめの1冊です