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読後感想文『嫌われる勇気』

「秋の連続投稿チャレンジ」キャンペーンに乗っかってみよう!の第2弾を昨日に続き連チャン投稿。
そして、今回は岸見一郎さんと古賀史健さんの著者『嫌われる勇気』の感想文を投稿します。

そもそも、なぜ購入したか

そもそも、この本を書店で買ってみようと思った最大のポイントはタイトルの強さもありましたが、本の帯と背表紙で読もうと決めました。
伊坂幸太郎さんが帯を書かれているのですが、この本を象徴するキャッチコピーに心がグイッと掴まれました。
自由とは他者から嫌われることである
本のタイトル自体が「嫌われる」と「勇気」というベクトルが異なるワードの組み合わせ。それに対して、「自由」という、これまたベクトルの異なるものをぶつけて来た伊坂さん。自由を欲する人(たぶん、全ての人と思いますが)に対して他人から嫌われることで自由が手に入るよ、と冷笑を浮かべながら肩を叩いてくる。そして、ボディコピーの締めは……
最後はなぜか泣いていました。
本の内容を事前に全く知らなかった私は編集者の思惑に完全にのっかてしまい、何なのこの本?と半分以上引き込まれてしまいました。
そして、本をひっくり返してみると、背表紙には「哲人」と「青年」の掛け合い問答が書かれていました。
まとめると、世界も人生もシンプルであるとする哲人に対し、青年は矛盾に満ちた混沌であると返す。哲人は青年に、それはあなたが複雑なものにしているだけと返すのでした。哲学系の本?と思いながら、パラパラと中身を確認するでもなくめくっていたものの、帯と背表紙で気持ちはすっかり「お買い上げ」にさせられていました。CDでいうところのジャケ写買いに近いものでありました。

自己成長と人間関係の改善

読後の感想としては、「とにかく、たくさんの人が読んでみたほうが良い」と 思ったので極力ネタバレにならないように続けます。
本の内容はオーストリアの心理学者アルフレッド・アドラーの心理学理論に基づき、自己成長と人間関係の改善について、わかりやすく腹落ちするかたちで書かれています。
著者の岸見一郎さんは日本アドラー心理学会認定カウンセラーの顧問であり、もう一人の著者のと古賀史健さんはビジネス書やノンフィクションで数多くのベストセラーを手掛けているフリーライター。岸見さんのアドラー心理学の本質を「対話篇」へと落とし込んだものです。哲人と青年の掛け合いでのスタイルなので、帯の伊坂幸太郎さんの言葉通りに小説のようにスイスイと読めてしまいました。

アドラー心理学の重要な概念は「共同体感覚」「課題の分離」「目的論」「劣等感の克服」ということ。
そして、この本で特に「なるほど、そうだよね」と共感した概念はたくさんあったのですがそのなかでも……
すべての悩みは「人間関係の悩み」である
どんな悩みも根底には「人間関係」が原因となっているが、他人と比較してしまうからこそ、その悩みが生まれる。
才能がないと悩む→自分より成果を出している人と比較している
お金がないと悩む→自分より収入が高く、お金がある人と比較している
すべて比較する他人の存在があり、対人関係があるからこそ、悩みが生まれている。他人と比較することをやめて、ありのままの自分を受け入れることが、悩みを減らすためには必要不可欠であると。

他人の課題に土足で踏み込むな

トラブルを減らすためには課題の分離が重要なポイントである。これは誰の課題なのかという観点から「自分の課題」と「他者の課題」を分けて考える。例えば、子どもが勉強をしないという問題は「親の課題」ではなく「子どもの課題」である。親が無理やり勉強をさせることはできても、子どもが勉強を好きになるとは限らない。

要するに……子どもが勉強しやすいような環境を提供するというのは親の課題。だから、親はそれを子どもに用意した。けれども、子どもが勉強しないというのは親の課題ではない。勉強するというのは子どもの課題である、ということ。一見すると、冷たいように感じてしまいますが、このことを子どもに理解させれば良いだけのこと、と自分なりの考えに置き換えて解釈しました。

確かに、課題の分離をして他人の課題に踏み込まないようにするだけで、対人関係のトラブルは減り、人間関係は大きく変わると思います。
このほかにも、アドラー心理学で重要な概念である「共同体感覚」「目的論」といったことを基にした興味深い内容が綴られています。

オススメしたい人

人に物事を強要するのが嫌いなタイプなのですが、あえて、こんな人が読んだらしっくりくるかなぁというのが……
・自己肯定感に悩んでいる人
・人間関係の悩みを抱えている人
・自分らしく生きたいと感じている人
……ですかね。
あくまでの私見ですが、アドラー心理学は、人間が他者との健全な関係を超え、自己成長を目指すための方法を提案していると思いました。 「課題の分離」で他人に振り回されない生き方を学び、「目的論」によって過去に縛られず、未来に向かって進む姿勢を持ちます。比較ではなく、自己改善を目指すことでより良い人生を築くことは可能であると。

#読書感想文

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