31.輝風
九州住まいの友人からこんなプレゼントを頂いてしまいました。
八女茶だああああああ!?!?
名前だけは知っていた有名で美味しい日本茶。それをこんなかわいいパケのプレゼントで頂いてしまいました。わーわーわー!?いいのかいこんな!?誕生日でもなんでもないのに!?しかもパケをよく見てみると和紅茶・上煎茶・上ほうじ茶・極上煎茶・玉露……錚々たるメンツ。もうこれで日本茶四天王+チャンピオン揃い踏みやん。リーグ開催待ったなし。
見てくださいよ皆さん。玉露。玉露ですよ。八女の玉露ですよ。宇治と肩を並べる玉露名産地と名高い。スケルトンTだったら最終連鎖ボイスですよ。いまいちすごさが伝わらない言い方。私はしっかり手が震えています。
素敵すぎる贈り物……いやほんとにありがとう。めちゃくちゃ嬉しい。めちゃくちゃ嬉しい……!!八女茶はずっと飲んでみたかったんですよね。それがまさかこんな形で出会えるとは。
どれも2TBらしくポットで淹れるのにちょうどいい量。どれから飲もうかなーと迷ったんですが、まずはこの辺から行ってみようと思います。
輝風。茶ノ時の上煎茶です。
これで『かがやか』と読むそうです。おしゃれだ~~~~!!!日本茶の茶葉ってこういうオタク心を擽るおしゃネーム多いですよね。めっちゃ好き。
サエミドリとオクミドリという二品種をブレンドした煎茶らしいです。全然知らないけど美味しそう。知覧のユタカミドリだけは名前覚えてるんだけど。あれもすっごく甘くて好き。同じ九州でも産地によって味わいは全然違うだろうから、福岡のお茶はどんなんなんでしょうね……すごくわくわく。
袋を開けると……うわっ……うわっもう香りが良い……上品なのに旨味が強いすーっとした香り……。青みが濃い香りなんだけどそれがぐいぐい主張してこなくて、奥の方で旨味と溶け合ってる香りがします。すーごい上品……。
で、淹れていこうと思うんですけど……。
折角なので、最近買った料理用温度計を使って温度調整をしてみます。
煎茶詳しくないので調べたんですけど、上級煎茶だと70℃くらいが適温らしいですね。うちの電気ケトルは100℃しか知らない不器用者なので、そこからゆっくりゆっくり冷ましていきます。この時間も楽しい……。
冷めたら1分淹れるだけで完成!
淹れた後は……うわあああ甘い香りがするうううう……!甘いけど澄んでて軽やかな香りなのがすっごい上品。青みと旨味も消えずに佇んでるのがまた良いな……では一口。
……うまっ……。うまこれ、うま……!70℃なので最初の一口めから熱くなくて味を拾いやすい。軽やかで飲みやすい味ー……!柔らかい甘みと旨味が主体でめちゃくちゃ飲みやすいんですけど、でも煎茶でイメージするような濁りとか雑味とかが無いんですよね。透き通ってる。どこまでも澄んでる。柔らかいのに細部が端正に整ってる味わいでめっっっちゃ良。これが良いお茶の格ってやつかぁ……。でもこんなに上品なのに主張が強くないの。味が濃くなくて飲み口が軽いから、何かと一緒に気軽に飲めるような味してる。奥ゆかしすぎません……!?こんなに美味しいのに!?もっと主役張っていいんだよ!?俺だけで味わえよって主張したって誰も文句言わない味してるよ!?でもそこになんか美学を感じた……かっけぇ……かっけぇよ……デキる脇役だこれ……。
冷めていくと段々青みと旨味がじんわーり強まってくるのもすごい好き。熱いうちは後味がほとんど残らなくてさっぱりしてるんだけど、冷めてくると舌にとろっと残るようになるの。この余韻がまた良くて……。蕩けるような旨味。最初から最後まで心が安らぐ飲み心地ですね……。
二杯目からはおやつと一緒に飲んでみます。
合わせたのは丸成商事のきんと栗。秋っぽいおやつ欲しいなーと思って、ローソンでうろうろしてたら目に留まりました。栗。栗いいですよね。無性に食べたくなる。既に剥かれてる栗って甘栗剥いちゃいましたぐらいしか知らなかったんですけど、ローソンの棚だけで三種類ぐらい並んでました。いっぱいあるんだな……では一口。
……ん!なんだこれ柔らかいぞ。袋売り甘栗って硬めのイメージだったんですけどこれは結構やわやわ。数度噛むだけでほろほろ崩れてく。そして優しい栗の甘みがうんまー!あんまり甘みが強くないのに旨味がしっかりあるところがなんとも私好みの味。そしてお茶を一口……あっ、あっうまいこれうまい。旨味がぐぐっと濃くなる……!栗という雑味が混ざるので透明感は失われるんですけど、その分ぐっとパンチのある旨味が味わえてめちゃくちゃうまーい!その後に栗を食べるとうおおおなんだこれ、甘みがめっちゃ増しとる。最初の一口より甘み増してるのどういうことなの。でもその甘みがすんごい透明感があってベタつきがない……!すごく繊細な甘みをしてます。その繊細な甘みの輪郭がくっきりする感覚があって、お茶がこれを引き立ててくれたのか……やはり名脇役……!
美味しかった……。いやもうほんとにめちゃくちゃ美味しかった……。脳がじゅわっじゅわにとろける最高のひとときを過ごしてしまった。美味しすぎるお茶って脳が溶けるよね……。
なによりもう。私がお茶が好きって事を友人が覚えていてくれて、たまたま出会ったらしいこれを見て私を思い出して贈ってくれたというのが。もう。言葉で表せないぐらい嬉しいですよね……。ありがとう。本当にありがとう。大事に飲む。めちゃくちゃ嬉しい。
お手紙も添えてあって、私が忙しそうな事を気遣ってくれててめっちゃ泣きそうになったのですが(友人も大分ド修羅場を生きてるのにね……!)。何かと考えすぎて疲労しがちな私がこのお茶を飲んでる間完全に頭がからっぽになっていたので、実はもうこのプレゼントの時点で私に対する助けになってるな……と噛みしめちゃったしちょっと面白かった。気持ちだけでもすごく助けられるのに。贈ってくれたものが具体的で現実的な助けになってるの、すごいなぁと思う。私という人間の現実を視界に入れてくれて、そこから想像を膨らませながらそっと贈ってくれたから、こそだよなぁ。
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