マティーニ

留学をきっかけに世界に興味を持った、ただの少年です。 いや、ただの青年です。(28歳) ・3分以内で読める短いのが多いです。 現在バックパッカーしてます

マティーニ

留学をきっかけに世界に興味を持った、ただの少年です。 いや、ただの青年です。(28歳) ・3分以内で読める短いのが多いです。 現在バックパッカーしてます

マガジン

  • 東南アジア放浪記

    リュック1つで旅に出た。 バックパッカー

  • タイ人女性との共同生活

    ひょんなことからタイ人女性の家に転がりこんだ。謎に包まれた彼女との日々を綴る。

  • イスラム教徒たちとのシェアハウス

    アラブ人たちと暮らす中で起こった様々な出来事を綴っていきたいと思う。

  • 元ヤクザの人たちと行った○○旅行

    今まで旅行してきた中で、この旅行が一番異様だった。その時の話をしよう。

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時々現れる薔薇売りの少女の話。 長閑な公園にて。虫取りをする子供たちとシンナーを吸う初老の話。 心の動かない女が、とあるストリートチルドレンに出会った時の話。 イスラム教徒の女の子と教室で二人きりになった時の話。 とある売人。取引までの空き時間の話。 イスラム教徒の女友達とストリップショーを観た話。

    • 東南アジア放浪記 ~フレンチガールズ~

      次の町への車移動でフランス人女性2人組と相乗りになった。彼女たちは俺より少し年上のお姉さんだ。彼女たちが車に乗り込んできた時、荷物や格好を見て本物の旅人だと一目でわかった。話を聞くと二人は東南アジアを一緒に旅をしながら色々な活動をしているという。ここラオスではプロジェクトの一環として、貧しい子供達が通う学校に訪れ英語を教えていたらしい。そして次の国タイではチェンライという北部の町で伝統的なマッサージを習いに行くという。その後は何かを求めフィリピンに2ヶ月滞在すると彼女たちは言

      • タイ人女性との共同生活 最終話 ~人生~

        翌日、彼女からメッセージで事情を全て話された。 俺は知らなかった。元旦那と未だに揉めていることや彼との間に子供がいたこと、今までの嘘や様々な出来事を。 そして、その数週間後また連絡があった。それは”拝啓”から始まる堅苦しい手紙のようなメッセージで、あの後、正式に鬱だと診断され、治療をしながら病と向き合っているという近況報告であった。正直なところ、俺は彼女の心配よりもトラブルに巻き込まれずに済んだとホっとする気持ちの方が大きかった。精神的に異常をきたした人間は空も飛べると自

        • タイ人女性との共同生活 第十五話 ~決断~

          外で元旦那と話をつけてくる。そう決断した彼女は「動かないで部屋で待ってて。ここにいれば安全だから」と俺に言った。彼女は元旦那に"家の外で話し合いましょう"とメッセージを送った後、部屋を出ていった。 彼女が出ていった後、俺は荷物を全てリュックに詰め込み部屋に別れを告げる。まとめ買いしていた俺の食料は冷蔵庫に詰まっていて、昨日買ったばかりの業務用のポテチは棚から顔を出していた。鉢合わせをしないように非常階段で下へ降り、裏口から敷地を出る。もう二度とここに戻ることは無い。彼女に会

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        • 東南アジア放浪記
          33本
        • タイ人女性との共同生活
          16本
        • イスラム教徒たちとのシェアハウス
          13本
          ¥200
        • 元ヤクザの人たちと行った○○旅行
          10本
          ¥200

        記事

          タイ人女性との共同生活 第十四話 ~終幕~

          平穏な日々は突如終わりを迎える。 夜中、ドアを強く叩く音で俺達は目覚めた。嫌な予感がする。ドアの覗き穴を覗いた彼女は驚愕した。だが彼女はパニックになったりせず、冷静に俺にこう告げた。 「元旦那よ」 話を聞くと、何の連絡もなく夜中に急に家まで押し掛けてきたらしい。 「大丈夫よ。あなたは大丈夫よ」 と気持ちを落ち着かせてくれるがその表情に余裕などなく、状況はかなりまずい。俺は特に悪いことをしていないが、揉め事には巻き込まれたくない。しかし、逃げ道のない俺はどうしようもなかっ

          タイ人女性との共同生活 第十四話 ~終幕~

          タイ人女性との共同生活 第十三話 ~募る憎しみ~

          彼女の精神状態が本格的にひどくなってきた。水曜日は彼女の休日。気晴らしに二人で近所のビリヤード場へ。 外観からはわからないほどのローカルなビリヤード場。店内は薄暗く、タバコの煙が充満している。入り口は狭かったが、中は広々していて、ビリヤード台は20台くらい置いてあった。店内は中年や年寄りが多く、若者はいない。俺達がやるのはスヌーカー。ビリヤードの1形態。一般的な台よりやや大きく、玉は小さく、ルールも異なる。イギリスでは人気が高く、近年はタイや中国などを中心にアジア諸国でも人

          タイ人女性との共同生活 第十三話 ~募る憎しみ~

          タイ人女性との共同生活 第十二話 ~王~

          彼女と家でテレビを見ていると、タイの国王が映された。いかにも崇められているかのように放映されているが、タイの若者はほとんど国王を支持していない。国王についてはタイの友人から色々聞かされていて、どんな人物なのかある程度知っている。支持されなくなった背景にはインターネットの普及も関係しているらしい。今や身近になったSNSなどで、国王のイカれた変人度合が国民にバレてしまったことが理由の一つだという。タイの友人が言うにはタイ国王は権力を振りかざし、やりたい放題やっているらしい。国民か

          タイ人女性との共同生活 第十二話 ~王~

          タイ人女性との共同生活 第十一話~パパラッチ~

          寝坊するところだった。昼過ぎに目覚めた俺には今日大事な用事がある。出会い系アプリで知り合った女性との初デートだ。最寄りの駅まではいつもバスを使って行く。バスの本数が少ないのが厄介で、見逃したらしばらく来ない。さらに何種類ものバスが停車するうえに時間通りに来ないため、バスに乗るだけでもだいぶ神経を使う。自分が乗るバスの番号を常に頭に置き、長い時間待たなければならないのだが、最悪なことにバス停の少し手前や少し先に停車して乗客を拾うことも多々あり、集中していてもバスを見逃してしまう

          タイ人女性との共同生活 第十一話~パパラッチ~

          東南アジア放浪記 ~諦めない心~

          駅までの送迎サービスが3時間も遅れ、夜遅くに辿り着いたルアンパバーンという町。利用した中国鉄道は小便臭く、居心地が良くなかった。そしてここで予想外な事態が起こる。気分屋の俺は宿をいつも前日か当日に取るため、今日もまだ部屋を抑えていなかった。予約サイトを開いた俺は徐々に焦り始める。ドミトリー部屋の空きが一つもなく、最低料金は個室の部屋で7000円だったのである。ラオス国民の平均月収が7500円という中で、ただの部屋が7000円なんて馬鹿げている。観光客相手になんて強気なんだ。い

          東南アジア放浪記 ~諦めない心~

          タイ人女性との共同生活 第十話 ~ニッポンのファイター~

          タイにはブアカーオという有名なファイターがいる。日本の元世界王者”魔裟斗”とはライバルだったらしい。そんなブアカーオは40歳を超えたが今も現役バリバリで、先日サッカー元日本代表”キングカズ”こと三浦知良の息子であるファイター三浦孝太と試合をしたらしい。それがきっかけで、タイ人女性の間で三浦孝太がカッコイイと話題になり、ファンが爆増。同居している彼女もティックトックにあがっている三浦孝太の動画を毎日漁っている。街に出てもそうだ。彼の人気は凄まじく、俺が日本人だとわかるとタイ人女

          タイ人女性との共同生活 第十話 ~ニッポンのファイター~

          東南アジア放浪記 ~猛者~

          ラオスにて。長距離バスで次の町へ。寝台バスだが2人でひとベットのため、他人と添い寝をすることになった。スペースがほとんどなく体を真っ直ぐにしていなければならないうえに足も完全に伸ばせない。バス内は欧米のバックパッカー達と現地の人々が混在している。停車する度に乗客は増えていき、ベッドの数が足りなくなった今では通路で人がひしめき合っている。 すると、バスが山道の真ん中で停車した。何も知らされてないが乗客がぞろぞろと出ていく。外はまだ明るい。恐らくトイレ休憩だろう。しかし、辺りを

          東南アジア放浪記 ~猛者~

          タイ人女性との共同生活 第九話 ~戦いの火蓋~

          目覚めると体に違和感を感じた。倦怠感と微熱、食欲はなく外へ出る気力もない。熱はこれから上がるだろう。思い返してみると、近頃野菜不足だった。野菜不足からの免疫力低下。原因は明らかだ。体調を崩したというメッセージを仕事中の彼女に送ると「私もよ」と返信があった。彼女は病院へ寄ってから帰宅するという。「あなたも病院へ行きなさい」と心配の連絡があったが、俺は海外保険に入っていないため、病院へ行こうもんなら莫大なお金を請求されてしまう。とはいえ保険に入っていたとしても俺はいつも病院へなん

          タイ人女性との共同生活 第九話 ~戦いの火蓋~

          東南アジア放浪記~告白~

          カンボジア、プノンペンにて。 あの日も特に何も無かった。特に何もなく一日を終えようとしていた頃、偶然みかけた良さげなBARに入ってみた。 BARカウンターに座ると、隣に1人で赤ワインを飲んでいる美しい女性がいた。彼女は正統派な美人で少し近寄り難かったが、俺は勇気を出し、たわいも無い会話を始めた。 彼女は人と違うオーラを纏っていて、不思議な魅力を感じた。酔いが回れば回るほど打ち解けていき、お互いが自分のことを話すようになる。 彼女には産まれたばかりの子供がいるらしい。し

          東南アジア放浪記~告白~

          タイ人女性との共同生活 第八話 ~堕ちていく女~

          精神が不安定だった昨夜の彼女には正直狂気を感じた。ただそれは誰もが持っているようなありふれた狂気で、不思議と馴染みがあった。 どうやら彼女はつい最近まで旦那がいたらしい。数週間前に離婚をしたため、一人でこの家に引っ越してきたと彼女は言った。離婚の原因は旦那の浮気。そしてその元旦那は近々その浮気相手と結婚するらしい。彼女が浴びるように酒を飲んでいたのは無理もない。事情を全て知るわけでもない赤の他人の俺は何かを言える立場ではないが、話を聞く限り、元旦那がした彼女への仕打ちという

          タイ人女性との共同生活 第八話 ~堕ちていく女~

          タイ人女性との共同生活 第七話 ~消し去りたい過去~

          彼女は毎晩安いウイスキーを浴びるように飲んでいる。決して味わっているわけではなく、とにかく酩酊状態になるためのようだ。 昨夜、酷く泥酔した彼女が帰宅した。 「何で私にこんなことしたのよ!」 そんなような事を独りでブツブツ言っている。 崩れたメイクは彼女の精神状態を表しているようだった。何かあったに違いない。すかさずどうしたのかと尋ねると、彼女は堰を切ったように話し始めた。 しかし悲しみからくる怒りというのはあまり長続きしない。10分後、気が済むまで話し終え、疲れきった

          タイ人女性との共同生活 第七話 ~消し去りたい過去~

          タイ人女性との共同生活 第六話 ~血のファンタ~

          タイでは至る所に祠がある。家の模型のような祠は精霊(神)に祈るためにあるという。多くのタイ人はその文化から遠ざかっているというが、今でも神を信仰し祠に祈る人々は多く、若者の姿も珍しくない。 タイでは何か不幸なことが起これば、それは精霊(神)、ピーの仕業だと思うらしい。そのため、ピーを怒らせないように家や施設の敷地内に祠を設けて食べ物や飲み物、線香や花などをお供えし、祈ってピーを祀っている。その祈りでピーはその土地や人々を守ってくれるらしい。 お供え物の中で気になるのは動物

          タイ人女性との共同生活 第六話 ~血のファンタ~