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マティーニ
2024年7月31日 16:35
次の町への車移動でフランス人女性2人組と相乗りになった。彼女たちは俺より少し年上のお姉さんだ。彼女たちが車に乗り込んできた時、荷物や格好を見て本物の旅人だと一目でわかった。話を聞くと二人は東南アジアを一緒に旅をしながら色々な活動をしているという。ここラオスではプロジェクトの一環として、貧しい子供達が通う学校に訪れ英語を教えていたらしい。そして次の国タイではチェンライという北部の町で伝統的なマッサー
2024年5月8日 21:26
駅までの送迎サービスが3時間も遅れ、夜遅くに辿り着いたルアンパバーンという町。利用した中国鉄道は小便臭く、居心地が良くなかった。そしてここで予想外な事態が起こる。気分屋の俺は宿をいつも前日か当日に取るため、今日もまだ部屋を抑えていなかった。予約サイトを開いた俺は徐々に焦り始める。ドミトリー部屋の空きが一つもなく、最低料金は個室の部屋で7000円だったのである。ラオス国民の平均月収が7500円という
2024年4月2日 16:55
ラオスにて。長距離バスで次の町へ。寝台バスだが2人でひとベットのため、他人と添い寝をすることになった。スペースがほとんどなく体を真っ直ぐにしていなければならないうえに足も完全に伸ばせない。バス内は欧米のバックパッカー達と現地の人々が混在している。停車する度に乗客は増えていき、ベッドの数が足りなくなった今では通路で人がひしめき合っている。すると、バスが山道の真ん中で停車した。何も知らされてないが
2024年3月13日 22:50
カンボジア、プノンペンにて。あの日も特に何も無かった。特に何もなく一日を終えようとしていた頃、偶然みかけた良さげなBARに入ってみた。BARカウンターに座ると、隣に1人で赤ワインを飲んでいる美しい女性がいた。彼女は正統派な美人で少し近寄り難かったが、俺は勇気を出し、たわいも無い会話を始めた。彼女は人と違うオーラを纏っていて、不思議な魅力を感じた。酔いが回れば回るほど打ち解けていき、お互
2023年12月23日 16:02
部屋で休んでテレビを見ているとテレビ台の前を黒い影が横切った。あまりの速さにはっきりとは見えなかったが俺はすぐに勘づいた。ゴキブリだという事を。俺はほっとかずに駆除することにした。早めに駆除しなければ奴に自由を与えてしまい、俺の靴やリュックの中などに入り込んでしまうかもしれない。そうなるとゴキブリ嫌いな俺はたまったもんじゃない。ただ自分一人で戦う勇気はなく仲間が欲しかった。そこで閃いた。宿の主人に
2023年11月25日 17:43
旅をしていると、自分と同じ旅人に多く出会う。目的も旅のスタイルも人それぞれで見ていて面白い。皆に共通するのは旅が好きだということ。そして自然や人間を心から愛する人が多い気がする。カンボジアの川沿いを1人歩いていると、白人の男が行き交う車の間をすり抜け、道路を渡りながら、大きな声で俺を呼びかけた。男が旅人なのは一目瞭然だった。同じ旅人を見つけて声をかけてきたのだろう。「写真を撮ってくれないか?」
2023年10月21日 20:52
低予算で旅をするバックパッカーの俺にとっていかに節約するのかが鍵である。かといって常に支払いを渋る訳ではなく、価値のある物や体験などには出し惜しみがないが、食には興味がないため、俺は基本ローカルな安い飯を食っている。観光地にあるような観光客向けのレストランは物価が安い国でも驚くほど高い。俺がよく食べているのはローカルなレストランのチャーハンだ。チャーハンは安くてハズレがない。料理をしない俺にはわ
2023年9月26日 15:13
タイのとある島。この日もスコールが凄かった。俺が宿に着いた瞬間に突風が吹き荒れ、大雨が島を包む。ブッキングドットコムで予約した宿。フロントで宿泊代を支払い、チェックインを済ませ、部屋でスコールが過ぎ去るのを待っていた。頭の中は既に今夜のナイトライフのことでいっぱいで、出会った女性といい感じになってしまう妄想であっという間に時間は過ぎていく。念の為、部屋を綺麗にし、貴重品をベッドの下へ隠して
2023年9月17日 23:41
そろそろVISAが切れるため、隣国のカンボジアにでも行こうかと思っていた矢先、トラブルに見舞われてしまう。ATM で現金を引き出せなくなってしまったのだ。カード会社に問い合わせ、話を聞き、色々試した結果どうやら数字4桁のパスコードが間違っている可能性が最も高いという考えに行き着いた。ここ1ヶ月以上ATMを使っていないため、数字の溢れる日常のせいで、間違ったパスコードを脳に上書きで記憶してしまったよ
2023年7月23日 19:57
亡き中国人達が眠る墓地。奥へ進んでいくと、1匹の野野犬が前から吠えながら全速力で向かってきた。しかし、俺は奴らの対処法を知っている。背を向けて走って逃げようもんなら奴らは狩猟本能で追いかけてくる。そして嚙まれてしまう恐れがある。こんな時の対処法は、恐れを見せず、背を向けず、ゆっくりと遠ざかること。野生の勘で自分より弱いものだと認識されてしまうと襲い掛かってくる。日本のペットショップで見かける犬や
2023年6月30日 22:11
タイでは旧正月にあたる、四月のある時期に行われるソンクランというイベントがある。ソンクランは水かけ祭りとして世界に知られていて、この期間は見ず知らずの人にいくらでも水をかけていいとされている。水をかける行為には敬意を払うという意味があるらしいが、俺はこのイベントが好きではない。何故ならこの水のかけ合いに参加する参加しないの選択肢はなく、望んでいなくても強制的に水をかけられてしまうからだ。町の至
2023年5月18日 23:25
近所のスーパーマーケットへ。海外のスーパーでも日本同様、夜になるとタイムセールで食品が安くなってたりする。8時過ぎに来た俺は割引きになっている弁当とコリアンチキン、フルーツをカゴに入れ、店内を見て回っていた。そして、冷凍食品が入っているショーケースの前を通り過ぎようとすると、足元で何かが動いた。パッと目線をやると、そこにはそこそこデカめのネズミがいたのである。ドラえもん程パニックにはならな
2023年5月2日 18:07
夫婦で経営している宿。旅人が多く泊まる宿らしく、主人は気さくでフレンドリーだ。「君は日本人か?大麻はどうだ?」これが彼から言われた最初の言葉だ。フロントではいつも主人が優しい表情で大麻を売っている。客との会話を見る限り、主人はフレンドリーを通り越してお節介が過ぎていると日本人の俺は常に思っている。日が暮れ、夜の街へ出かけようとフロントの前を通ると、案の定主人が俺に話しかけてきた。
2023年4月16日 20:36
タイのバンコクにて。友人がFacebookでアニメのイベントを見つけた。日本のアニメがタイ人にどう愛されているかをこの目で見るために、俺はさっそく会場へと足を運ぶ。入場、参加の条件はFacebookでこのアニメイベントのページをフォローすることだと受付のスタッフは言う。なんとなく友人や知り合いにアニメイベントのページをフォローしている事と居場所が知られたくなかったため、フォローした画面を受付のスタ