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【美術展2024#76】TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション@大阪中之島美術館

会期:2024年9月14(土)〜12月8日(日)

大阪中之島美術館は、2025年2月に開館3周年を迎えます。これを祝して、開館3周年記念特別展として開催される本展では、大阪中之島美術館が誇るモディリアーニ、ローランサン、マグリット、バスキア、佐伯祐三、倉俣史朗などコレクションを代表する数々が、開館記念展以来、一堂に展示室に揃います。

これらの作品が、ヨーロッパと日本の第一級の美術館、パリ市立近代美術館、東京国立近代美術館のコレクションとの豪華競演を果たします。本展では、3館のコレクションから共通点のある作品でトリオ(3点1組)をつくり、構成するという、これまでにないユニークな展示により、コレクションの新たな魅力を浮かび上がらせます。思いがけない作品の組み合わせによる新鮮な化学反応をお楽しみいただき、お気に入りの作品を見つけていただければ幸いです。

大阪中之島美術館


開館から2年半が経ったが、今回ようやく初めて訪れた大阪中之島美術館。
空間の使い方が贅沢できれいな美術館だなあ。

上りの長いエスカレーター脇の垂れ幕。
塩田千春とのダブルヘッダー。


TRIO展の方は春夏に東京国立近代美術館東京展が行われおり、そちらも行った。↓

この時期ちょっと関西に行く機会があったので、東京展と何か違いがあるかどうかを見たくて訪れてみた。


東京展で感じた疑問。
それはやはり今回も同じく感じた。

・なぜこの3館なのか。
地理的な比較をするならパリ、東京、ニューヨークとかのほうが良いだろうし、それぞれの出品作品に地域性があるわけでもない。

・なぜそれらの作品なのか。
共通項が表面的なテーマしかなく、国や時代に縛りをかけているわけでもないので文脈もバラバラで必然性や関連性が希薄だ。

結果、何を比較しているのがいまいちよくわからない。
美術の教科書のようなテーマ毎に、手持ちの所蔵作品を場に出すカードバトルのような構成。

いまいち釈然としないのだが、やはり細かいことはあまり深く考えずに展示されている名作を素直に楽しむのが正解なのだろう


ということで見ていこう。
それぞれが最初にコレクションに加えた作品。
テーマは「椅子に座る人物

佐伯祐三  ロベール・ドローネー  安井曽太郎
東京展

壁面の明度が真逆だ。



「まどろむ頭部」

ブランクーシ  デ・キリコ  イケムラレイコ
東京展

東京展とは配置が微妙に違う。



「モデルたちのパワー」

モディリアーニ  萬鉄五郎  マティス
東京展

きっとこれがやりたくて今回の企画を無理やり後付けしたのだと思う。
大阪展ではガラスケースの中に展示されていた。
マティスとモディリアーニが東京展とは逆になっていた。



「こどもの肖像」

原勝四郎  岸田劉生  藤田嗣治
東京展

配置は同じ。
キャプションの位置が違う。



「色彩の生命」

セルジュ・ポリアコフ  辰野登恵子  マーク・ロスコ
東京展

ロスコが狭い壁面に追いやられている。
DIC川村記念美術館の休館問題で揺れるロスコ・ルームの不安定な現状を連想させる(飛躍しすぎか)



「ディフォルメされた体」

イヴ・クライン  ジェルメーヌ・リシエ  柳原義達
東京展

左右の作品が入れ替わっている。



「日常生活とアート」

冨井大裕  倉俣史朗  ジャン=リュック・ムレーヌ
東京展

ミスブランチは今年だけでもいろんな場所で見た。
黒い壁面とスポット照明のおかげで大阪展の方がミスブランチの存在感を高めていた。


東京と大阪で配置や展示形態が微妙に違ってたりしたのを発見できたのは両方行ったからこそ。
決まった仕様ではなくハコの状況に応じてそれぞれ入れ替えているのだね。
だがその弊害で、さらに展覧会としての主張が定まっていない気もするが…。

まあやはりなんだかんだ言って名作揃いだったので、東京展同様普通に楽しめた。



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