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MEDEL Books

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第13話 脱皮

第13話 脱皮

一方、アイは豚達を手作り小屋へと連れて行った。

そしてその後、涙によってデターに戻ったメデタを再び人化する為の培養液を取りに一旦研究所へと戻った。

アイが向かった先は、メデタと最初に出会った第5研究室。

その部屋にはアイが研究と実験のために培養液に浸けられた昆虫が棚の上に沢山並べられている。

「あったわ。これなら丁度良いわね。」
アイはデスクの引き出しから手の平サイズの小さなスティック状の

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短編小説『スマバレイの錆びれた時計塔』

短編小説『スマバレイの錆びれた時計塔』

1ここはスマバレイ。蒼い海を望み、緑豊かな山に囲まれた高台にある小さな町だ。スマバレイは、別名「ベル・タウン」とも呼ばれている。その呼び名の所以は、町の中心地にある。地上からレンガ色、ベージュ、グラデーションがかった水色の3ブロックに分かれる色鮮やかな時計塔だ。色とりどりの花を咲かせる木々を従え、まさに天空に向かって堂々とそびえ立っている。真ん中のベージュ部分に飾られた時計の針が6時、12時、18

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雨に濡れた月~弾き語りで歌うかもVol.4~

雨に濡れた月~弾き語りで歌うかもVol.4~

この2か月くらいでカメラマンとか色々と経験してきたせいか、久しぶりのライブ(しかも一人のワンマンは初めて!)やけど、緊張が押し寄せてきません。緊張しない自分に動揺しそうです。笑

今日は大停電の1枚目のアルバムから”雨に濡れた月”

雨に濡れた月って言葉を思いついて、その響きが好きで作り始めました。

月は雨に濡れないので、どうして月が雨に濡れているのかとゆう事を考える。窓の向こうの月だったり、涙

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第12話 ピギージョン

第12話 ピギージョン

研究所2階へと到着した3人。

「社長こちらの研究室になります。」
第7研究室と書かれた部屋をルイスはコンコンとノックした。

「はい!どうぞぉ~。アイちゃんかね?」
マーブル博士が振り向くと驚いた顔をしている。
「おぉ‼︎どうしたんじゃ~⁈こりゃたまげたわい!珍客中の珍客じゃの~ジョンよぉ‼︎
世界のジョンがこんな辺ぴな所に何の用事じゃぁ?」

「マーブル兄さんご無沙汰しています。
ちょっと近く

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第11話 神隠し

第11話 神隠し

時は遡り1年前の事。
研究所から1キロ程離れた山道を1台の貨物トラックが走っていた。

その貨物トラックには『ピギーズピッグファーム』と書かれている。どうやら養豚場から豚を運んでいるようだ。

時間は早朝5時過ぎ頃。
右は絶壁、左は岩壁。道は細く舗装もされていない離合が難しい程の険しい道を進んでいた時だった。

それは突然起こった。

地震だ。

トラックは横揺れに合いながらもそのまま走行を続けた

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第10話 謎の男達

第10話 謎の男達

その頃研究所に一台の車がやって来た。
森林の中にある古びた研究所には似つかわしく無い黒の高級リムジンだ。

その車中には白髪オールバックで口髭を蓄え葉巻をくわえたスーツ姿の紳士風の男性が足を組んで座っている。

黒い高級リムジンは施設入り口の前に横付けで停まった。

するとサングラスに七三分けのボディガードらしき男性2人が車から出てきた。
1人はすらっと細マッチョ系で、もう1人はガッチ

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第9話 メデタの父

第9話 メデタの父

「そうなんですか?まさか目から出る涙が昆虫の人化を抑える効果があったなんて!」

「そうなんじゃ。しかもデターの姿に戻ったのは良いんじゃが、言葉はそのまま話せとった。不思議じゃ。」

「えぇ?!覚えた言葉はそのままで昆虫に戻ることが可能という事ですか?これは世紀の大発見かもしれませんねぇ博士!」

「あぁ、これはまさに大発見じゃよ‼︎
そうじゃ、アイちゃん。メデル君の培養液の予備はあっ

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第8話 ドングリ募金

第8話 ドングリ募金

そして一方、メデタは給仕室の前に来ていた。
「さっきマーブル博士が出て来たけど何の用事だったんだろう?まぁいいか。」

給仕室の中に入ると、すぐに玉ねぎの匂いに気付いた。「ん?玉ねぎのみじん切り、何でそのままなんだ?博士かな?」

メデタはおもむろにみじん切りにされた玉ねぎを手ですくい匂いを嗅いぐと、なんとなく顔の前でそれを握り潰した。

するとメデタは「あっ!」と声をあげると、メデタの目

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第7話 ドングリ豚

第7話 ドングリ豚

一方、研究所の外へと出てきたアイは、施設を取り囲む様に生い茂った森林の中を下を向いて歩いていた。手には大きめのナイロン袋を持っている。

「どんぐり、どんぐり。どこかな~、どんぐりちゃん。」
アイは木の付け根を主に見回しながらドングリを探している。
すると落ち葉の間からドングリらしき物が見えた。

「よ~し!まずは1個目発見したわ!このドングリはコナラね、小さくて可愛い。この調子でどんどん

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第6話 涙

第6話 涙

マーブル博士はムカデ人間の所へ向かった。
倒れたままのムカデ人間の前に着くとムカデ人間は気配に気付いたのかピクッと身体が動いた。
「ウ、ウ~。」と言うかすかな唸り声が博士の耳に聞こえた。

「すまんかったな。わしらの研究の為とは言え、こんな姿に変えてしまって。本当にすまんかった!」
マーブル博士は目に涙を浮かべた。するとその涙が頬を伝ってムカデ人間の顔に涙のしずくが落ちた。
すると不思議な事に

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第5話 メデタマネー

第5話 メデタマネー

「メデルマネー?!なんかカッコいい名前!」

「本当じゃなぁ!イカしたネーミングじゃよ!」

「あ、ありがとうございます。この通貨のアイデアはメデルさんの手紙がキッカケでした。メデルさんの真似をして考えたお金ということで、『メデル真似』からの『メデルマネー』!なんてどうですか?」

「ぶあっはっはっはっ!!!」
マーブル博士はひとり笑いのツボに入った。

「何よその理由、カッコいい

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第4話 マンドレイク

第4話 マンドレイク

「博士、この部屋はたしか所員すらも立ち入り禁止の部屋のはずですが?」

「そうじゃ。じゃが、もう時は来たようじゃ。芽が出たんじゃよ。」

「芽?ですか?」

マーブル博士は立ち入り禁止の部屋の鍵を開けた。

中に入ると部屋一面に植物の植えられたプランターが置かれている。

「わしは昆虫と植物の研究を長い間してきた。かつてわしの右腕だった植物専門の博士がおったんじゃが、若くして病

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第3話 ムカデ

第3話 ムカデ

「何事じゃ?!他の研究室からのアラーム警報!検体に何か異変が起きたのかもしれん!急いで行くぞ!」

マーブル博士の後に付いてアラームの鳴る研究室へと向かった。

赤いアラームランプが辺りを異様な雰囲気に染めている。

問題の研究室を覗くと、中で何かが暴れている。よく見るとムカデの様にたくさん手の生えた人間がいる。

「あれはムカデを検体にしたムカデ人間じゃ。人化はしたものの気性が荒

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第2話 メッセージ

第2話 メッセージ

メデタは真剣な表情でアイの目を見つめて話し始めた。

「僕ら、デター。いや、人間の呼び方でゴキブリは、遥か昔から子孫繁栄を繰り返し逞しく生き延びてきた。
僕は先祖を誇りに思っている。だけど、人間達は僕らを害虫呼ばわりして忌み嫌ってきた。今でもそうだ。僕らは過去の経験を活かして種が絶えない様に強く進化してきた。ただ一つだけ変わらないものがあった。それはあるメッセージ。」

「メッセージ?」

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