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実話怪談

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#小説

寝物語を話しながら

寝物語を話しながら

この夏に起きた、不思議な体験のお話です。

令和3年8月25日、学校は夏期休業中ではありましたが、このご時世もあり、消毒やら授業準備やらで私は出勤しておりました。
午前中には全体会議もありました。
恥ずかしいことですが、私はその会議中、一瞬、眠気で気を失ったんです。
夏季休業中の会議ということで、完全に気が緩んでいました。

ほんの5分も無い時間のことではありましたが、その時に夢を見ました。
それ

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地獄の話

地獄の話

私が見る明晰夢は、それが夢だと自覚できること、夢から目覚めること以外は全く自由にならないものです。
色褪せた世界にぽいっと放り込まれた感じで、不意に謎の和室から始まり、その襖を開けた瞬間から、この世のものではない存在たちに絡まれるのが常です。
大抵は、この世のものではない人々の身の上話を聞かされたり、大きな和風建築の屋敷の中で脱出ゲームに参加させられたりして、訳のわからないまま疲れ果てて目覚めるの

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火傷の話

火傷の話

「お前のひいひい婆ちゃんは、それはそれは不思議な力を持った人で、
 念仏を唱えるだけで、血の出ない怪我ならなんでも治してくださった。」
 昔、私が指を切ったり、擦り傷をこしらえてきたりすると、祖母はそんなことを言いながら、傷薬を塗って絆創膏を貼ってくれたのでした。

 祖母が祖父と結婚して家に入った時には、高祖母(ひいひい婆様)も存命だったそうです。寿司屋をやっていたこともあり、日々忙しく、些細な

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白衣観音さんの話

白衣観音さんの話

 私の実家には、木彫りの白衣観音像があります。
 元々、私が生まれるよりもずっと前に、私の祖父が旅先で購入してきたものです。

 祖父は旅が趣味でした。祖母が心臓に持病があり遠出ができない上、交通事故で足腰が不自由になってしまったため、祖父は一人旅に出ると、必ず祖母のためにお土産を買って帰って来たのでした。 
 たいていはこけし人形だったようです。
 祖父は、5人の子供に恵まれましたが、初子である

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もうひとり

もうひとり

 この春から、新しい職場で働いています。
 そこは、都心の中に有りまして、まだ開校して間もない学校ですので、校舎も綺麗なものです。多くの場所が電子施錠(自動)なので、防犯面も良いです。
 難点としては、都会である故に近隣との距離が近く、窓を開けると子どもたちのはしゃぎ声などが漏れてしまったりすることでしょうか。

 新しい学校というものは、まだ脈々と受け継がれる教育のベースが確立していないので、ど

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狐の伝言

狐の伝言

 気が付いたら、随分と明るい世界に居ました。
 季節外れの桜の花びらが舞う中庭に面した長い廊下を、私は衣摺れの音を聞きながら歩いていました。
 夢だと分かっているから、随分とのんびりした気持ちで歩いていたと思います。
 ただ、普段の明晰夢であれば、その見える景色はゲーム『SIREN』の背景画のようなものでしたから、あまりに明るく穏やかな雰囲気に、少々、面食らった気持ちで居りました。

 私を案内す

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続・電話の向こう

続・電話の向こう

初期の頃の投稿に、「電話の向こう」という話があります。
かつて勤めた学校で、誰とも分からない相手からの電話を取る話です。

私は、この春から職場が変わりました。
新しい職場の印象は『えらく騒がしい職場』で、いつもどこからともなくいろんな音がします。
それがどんな音なのか、私には聞き比べることができないので、そのままを受け入れています。

そんな職場で、20時ごろまで職員室で残り仕事をしていました。

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不愉快なイシ

不愉快なイシ

大学時代の話です。
当時、私はお互いの親に挨拶を済ませた相手が居ました。名をNとしておきます。

当時、Nさんは30近かったこともあり、私の就職を待って結婚という話になっていました。
年が離れていた割には趣味が合う方で、多少見栄っ張りな面はありましたが、楽しく付き合える方でした。

ある時、彼がC県の友達夫婦のところへ遊びに行こうと誘ってくれました。
そのご夫妻は結婚される前から、それぞれが私たち

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祖父と叔父

祖父と叔父

祖父は信心深い人でした。

祖父の祖母(私にとって曾曾祖母に当たる方)が、宗派のお山に席があったそうで、その影響を強く受けたのが祖父だったそうです。

曾曾祖母は、お弟子さん達と大きな数珠を回しながら降霊術をして、相談者さんの悩みに応えていたそうですが、それを間近で見て育った祖父が、信心深くなるのは自然なことだったのでしょう。

ただ、信仰が深くても、祖父は霊が見えたという話を一切家族にしませんで

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部屋の見えない住人『おじさん』

部屋の見えない住人『おじさん』

住んでいる部屋には、どうやら霊道が通っています。
この話をすると、皆さんが気にされて質問してくるのは、
「何で霊道ってわかるの?」
「何で引っ越ししないの?」
この2点が圧倒的に多いです。

霊道だと感じたのは、出る霊障のバラエティの富み方と、関わってくる幽霊の年齢層の幅の広さです。
前回書いた話(二階の部屋)で、窓に時計をかけたことで霊道を塞いだことをお話ししました。
「部屋の壁4辺に物を飾ると

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迷ヒ家 其の壱

迷ヒ家 其の壱

私は現在、土地勘があると言うことで、かつて実家のあった地域に住んでいます。

うちの父方と母方は、二駅離れた地域に住んでいました。
もう、どちらもだいぶ昔に地域を離れていますし、その周辺も開発が進み、引っ越して行き、知っている顔もほとんど居なくなりました。

週末、仕事が休みだからと散歩に出た私は、かつて父方の家があった地域を歩いていました。
私が住んでいる場所は寺町で、ビルが立ち並ぶ中に、寺がポ

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東京タワーにて

東京タワーにて

幼少期、私は暗闇を怖がる子どもでした。

誰と一緒だろうと、少しでも闇があると、火が付いたように泣き喚いたそうです。

そうだったにも関わらず、父方の従兄弟家族が遊びに来た際、その従兄弟家族と父方の家族と私で東京タワーの蝋人形館に行きました。

私は、入り口から目をつぶったまま動かずにいようとした記憶があります。

ですが、その記憶に混じってドラキュラなどのモンスターの1分の1スケールが思い出され

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軒下の男性

軒下の男性

霊体は粒子だと思うことがあります。

魂には重さがあるそうですが、霊体が粒子であれば重さがあって当然でしょうし、光ったりモヤがかかったりすることの理由にもなるかと思っています。

幽霊が湿気があるところに溜まるのに、水も空気も流れる場所が苦手なのは、そんな理由だからかもしれません。

先日、実家の洗濯の干し場を替えました。

ベランダまで洗濯物を運ぶのが辛くなったと叔母が言うので、1階の洗濯場のそ

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