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スカンジナビア雑記帳

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元現地ガイドの視点からデンマーク中心に北欧のあれやこれやを綴ります。 個人的にツボにはまったこと、雑感など、あまり旅の役には立たなさそうな小ネタも冗談交じりに書いていきます🎶
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記事一覧

夏至直前のスウェーデンで大好きな曲を聞きながら生と死のコントラストを想う

夏至直前となり、日の長さもピークになって来たこの頃。北の方ではもう白夜。 私の住む最南の地方でも深夜近くまでうっすら明かりが残る。 遅くまで外で遊ぶ子供たちの声が聞こえる。 ひとつの学年が終わる6月は、卒業シーズンであり夏休みが始まる月でもある。 「春の夜」 そんな季節になぜか決まって思い出す曲がある。 スウェーデンの作曲家ヴィルヘルム・ステンハンマー(Wilhelm Stenhammar、1871−1927)と作家オスカー・レーヴァティン(Oscar Levertin、

フィーカしましょう!~スウェーデンの大事なお茶の時間

”Fika フィーカ” スウェーデンに興味がある人ならば誰でも一度は聞いたことがあるこの言葉。日本語でいう「お茶(名詞)」とか「お茶する(動詞)」に当たる意味を持つ単語である。 語源はコーヒー(カフィー)がひっくり返ってフィーカになったのだそう。 手元の辞書には と書かれているので、厳密に言えば「コーヒー」が対象のようだが、 普段使うときには、コーヒーや紅茶などの飲み物だけでなく軽食まで含まれる。 さらにWikipediaスウェーデン語版の内容も紹介しよう。 (ご存知の

博覧会の思い出 ~残されたお堂

Pildammsparken(ピルダム公園) スウェーデン第3の都市マルメは公園の街としても知られている。 いたるところに大小様々な公園があり、その緑が憩いの場を与えてくれる。 中でも中心地にあるPildammsparken(ピルダム公園)は人気のある公園だ。 大きな貯水池の周りに複数の芝生広場あり、野外劇場あり、木立を抜ける散歩道、野外幼稚園もある。 残されたお堂 そんな広大な敷地の中にぽつんと忘れられたようにお堂が立っている。 その古めかしい佇まいのせいか、そこに

人魚とバレエとお料理と

人魚姫の像 コペンハーゲンに来たら取り敢えずは見とくべし!の観光名所、それは、 「人魚姫の像」 人魚姫といえばデンマークが生んだ世界的童話作家アンデルセンのお話のひとつ。 それをモチーフにした像が、街の北部の海沿いにひっそりと座っている。 余りにひっそりしているからか、日本では世界三大がっかり名所のひとつと紹介されたりして、造った本人が聞いたら怒りそうな不名誉な称号を持つ像でもある(デンマーク人は誇りに思っています、たぶん)。 「ちっちゃ!」 「これだけ?」 「背

C4を探せ!~名所に行ったら探してみよう、クリスチャン4世~

クリスチャン4世 誰やねん、と突っ込んだ方、 思わずググッた方、 、、、ですよね。 基本的に北欧の王様方は世界史の教科書に登場しないので(マルグレーテ1世ぐらい?)知られてなくても当然。 しかしデンマークでこの王様ほど良く知られた王様はいない。 なにせありとあらゆる建物を建てまくり、これでもか、というぐらい名を残しまくった王様だから。 そう、文字通り街に「名前」を残しまくっているのだ。 どんな人? 「名前」の話に入る前に、ざっくりこの王様のことをご紹介しておこ