小枝と雛鳥 其の一
六月末日のことである。
朝、畑の世話をしていた夫が、茶の間に戻ってきた。
「黒くて、ちっこい鳥が、木に留まったままで動かない」
という。
玄関脇の南天木を見る。地面から、おおよそ60センチぐらいの処。
細い幹と小枝との間に、挟まるような格好で小鳥がいた。
体長は7、8センチ程。
羽の色は、消炭(けしずみ)にが斑に入っている感じ。
頭から首周り、それから、ぷっくりしたお腹の辺りは、ぽしゃぽしゃした綿毛のような羽毛に覆われている。
薄紅色をした平べったい嘴は、その頭の大きさに比べ