小枝と雛鳥 其の三
「やったー!親鳥キター!」
小さくガッツポーズをするも、親鳥は、すぐさま高く舞い上がり、どこかへ行ってしまった。
南天木の周りには、静寂が戻った。
犬や猫ならば、親が子を口に咥えて塒(ねぐら)に連れ帰ることも出来るだろうが、鳥の場合、そうは行かない。
どんなに小さくても、非力であっても、雛自身が羽搏かなければ、どうにもならないのである。
心許なくて、つい、スマートホンに手を伸ばす。
最近インストールしたばかりの『AI Chat』に意見を伺う。
「あなたは、家の主です。只今、自宅の庭木に、動けなくなっている野鳥の雛がいます。どのように対処しますか」
ものの数十秒で、応答があった。
まず第一に、雛の安全の確保。続いて、雛の保温。
加えて、雛が回復できる環境を整える。
どれも難しいな…
さらにスクロール。
「専門家に連絡する。地元の野生動物保護センターや、野鳥の保護団体に連絡し、専門家のアドバイスを仰ぎましょう。彼らは、適切なケアを提案してくれます」
おお! これだ!!
専門家のアドバイス。
現状において、これに勝る手段はない!
まだ付き合いの浅いAI殿に丁重に礼を述べたあと、私は、早速ググる。
つづく