働き方改革だけでは本質的な改善がない理由
教育現場の働き方改革は必須だ。
これは当然のこと。
ところがこれだけでは何も解決はしない。
なぜなら、現場の教師が抱える問題は、単に「忙しい」というだけではないから。
余計な仕事を減らせれば、子どもたちに使える時間は増える。
授業準備や子どもたち個々への対応、コミュニケーションを増やせるというのが、多くの教育関係者が考えていることだろう。
ところが、現状のまま、子どもたちへの応対時間や授業内容の充実を図っても、残念ながらうまくいかないのだ。
むしろ、子どもたちからすれば余計なお世話、そんなに私に関わらないで、という声が増えてしまうことになるだろう。
なぜなら、今、すでにコミュニケーションがうまく行っていないのだから。
すでに一斉講義型、指示命令型授業は、機能していないではないか。
現状、先生と子どもたちの信頼関係が乏しいことは明らかなのだ。
あわせて、既存の授業自体の効用が低く、学力・学習面だけをみても、機能していない。
これを作り出している要因は、先生が持つ「先生像」にある。
旧来の先生像のまま、子どもたちに対峙しても、まず「ウケない」。
指示命令、管理統制のスタンスの価値観を、現代の子どもたちは受け入れないのだ。
先生の価値観は、自身が持つ「先生像」によって、象られている。
この先生像を変えることは、教師自身が価値観を変えることと同義だ。
先生像を変えることなしに、子どもたちと対峙し、コミュニケーションをとることは、不可能に近い。
実際に現場にいればこれは明らかだ。
無頓着な教師ほど、指示命令、強制の手法を強めてしまう。
それはそうだ。
この旧来のスタイルは、子どもたちを「黙らせる」スタンスだから。
黙ってしまっている子どもたちの声は、教師には届かない。
これが無頓着な教師の姿だ。
社会に耳をすませ、
世界に耳をすませ、
テクノロジーに耳をすませ、
その上で、子どもたちの声に耳を澄ませる。
これなしに、現代の子たちの特性は理解できない。
特性に気づかないのだから、理解のしようもない。
一方的な、指示命令、強制に明け暮れるしかないのだ。
さあ、先生像を変えよう。
今こそ。
(おわり)
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