人事のKPIを考えてみた
私がメンバーになっている人材開発・パフォーマンスに関するグローバルな組織であるATD(※1)の日本支部(ATDインターナショナルメンバーネットワーク・ジャパン)のスタディグループの一つである「HPI(※2)スタディグループ」では、毎年様々なHRのテーマをHPIという切り口で整理し、提言する活動を行っています。
昨年は以下のこの記事ご紹介した「タレントマネジメント」がテーマでしたが、今年は「人事のKPI」を研究テーマとして取り上げています。
※1 The Associaton for Talent Development
※2 Human Performance Improvementの略でATDが推奨している
パフォーマンス・コンサルティングモデルです。
人事はデータドリブンに対応できている?
昨今のHRのトレンド?というか、今後の目指すべき人事部門のあり方の方向として「データドリブン」が謳われるようになって数年、前述した「タレントマネジメント」の研究を進めている中でも浮き彫りになってきたのが、そもそも人事部門としてどのようなデータを取得すべきか、また、それをどう掛け合わせて活用していくか、という人事マネジメントのかなり根本の部分で悩まれている企業が多いということでした。
特に大きな組織になればなるほど、人事部門の機能は、採用、育成、制度といった「タテ割り」になっていき、それぞれの機能の中において、データの取得、活用が完結してしまっている、という状況も多いのだと思います。
「ISO30414」は黒船か?
企業の成長要因として「人的資産が重要だ!」ということは、至る所で言われてはいるものの、実際にはその資産状態が十分に可視化され、戦略的に活用が行われていないケースも多い(自戒の念も大いに含んでいます)中で、最近では、「ISO30414」(2018年12月に国際標準化機構(ISO)が発表した、人的資本の情報開示のためのガイドライン)が出来るなど、益々、人的資産管理の分野が「データドリブン」の方向に向かう流れも加速してきました。
そうした状況を踏まえて、今年のHPIスタディグループの研究では、そのデータ取得をする目的として、そもそもどのような人事のKPIやメトリクスを定めていのるか、また取得しているだけでなく、どのように戦略的な活用に繋げられているか、の調査を行うことになり、その調査結果は年末のATDジャパンサミット(12/9(予定))で報告することになりました。
もし、人事部門もしくはそうしたテーマに関心がおありの方は、こちらのアンケートにご協力頂けましたら幸いです。
アンケートにご回答頂くことで、自社の人事メトリクスやKPIのセルフチェックにもなります。
なお、本アンケートを作成するにあたって代表的な人事メトリクスである以下の5つの資料を参考に、特に重要と考えるもの分野ごとに指標を選出し、合計36問に厳選しました。ちなみに、指標の選定にあたっては、大半の企業で取得されているであろう一般的な指標(例:女性管理職の割合、全社の離職率等々)は設問数の関係から除いています。
<参考資料>
・AIHR(Academy to Innovate HR) HR Metrics Cheat Sheet
・SHRM(Society for Human Resource Management) HR Metrics
(based on Functional Areas)
・ISO 30414「Human resource management—Guidelines for
internal and external human capital reporting」
・人事課題の「評価指標」一覧(12テーマ156項目の「HRスコア
カード」)
・ATD State of Industry Report 2020
ぜひご協力の程よろしくお願いいたします。