母の断薬:マグミットという便秘薬
マグミットという便秘の薬が有る。2016年1月に母は亡くなるが、最後までマグミットは離さなかった。2015年5月の辺頃が一番ひどかった。
忘れられない。
先ごろ、「高マグネ シウム血症」に注意したほうがいいという通達が役所から出た。2015年から言い始めているという。最近なんでまたマグミットやめろキャンペーンがじ始まったのかなあと思ったら、とんでもなく良く効く便秘薬が出たと聞く。腸肝循環(注)をコントロールするという。胆汁酸の分泌を司る受容体をコントロールするという。新しい薬を売るために今までの薬を悪く言うのだ。やっぱ、商売人は信じちゃいけない。
薬は恐ろしいものだと思う。
とは言っても、便秘は辛い。僕も「ヤク」に溺れるかもしれない。
しかし、本質的な問題は「食事」でしか向き合うことが出来ない。
コメント欄のことを書き足しました。
母は多重投薬の見本のような人だった。僕は思い出すのも辛い。となりに僕が住んでいながら、医者に行っているのだからいいのだろうと思ったのだ。毎日何を何時に飲むという仕切りのついた薬箱を持っていた。
時折行くと、どれのんだっけと僕に聞くのだ。
その頃はまだ薬が病気を治すと考えていたのだ。
2015年当時、ネットを探したが、マグミットに関しては、そんなにひどいことは書かれていなかった。僕も「作用機序を調べる」などということはしなかった。
薬は病気を治すと単純に考えていた。しかし、それが大間違いなのだった。
とは言っても、勉強しない自分が悪い。詐欺に引っかかるのは相手より自分がバカだからだ。
副作用があるという事を言う人も多かったが役人は否定的だった。(今でも数例が報告されたから気をつけろと言うだけだ。本当はもっとものすごい数あるのだろう。「薬害認定」のハードルは高い)。
それまでは書かれていなかった「恐ろしい副作用」がたくさん書かれています。年寄りが普通に見られる症状なので、マグミットのせいではないと思いがちだけど僕はそうは思わないのです。
高マグネシウム血症 ってなんだと言うととんでもないことが書かれている。
呼吸抑制 、 意識障害 、 不整脈 、 心停止 、 悪心 、 嘔吐 、 口渇 、 血圧低下 、 徐脈 、 皮膚潮紅 、 筋力低下 、 傾眠
呼吸が苦しくなって、意識がなくなったり心臓が止まったり吐いたりするけど副作用だよ。
便秘になるよりいいだろって言うことである。
母は、なんとか断薬したけど、2ヶ月後に心不全で寝ている間に亡くなった。
「副作用」というのは欺瞞的な言葉です。
身体の細胞にとっては、正も副もありません。
ジェネリックが多いし、年寄りどおしでやり取りしているようで病院に行かなくとも手に入れていました。
コタツの上の錠剤の数を数えるとすごい量飲んでいました。
作用機序を調べよう
僕が本格的に薬は恐ろしいと思い始めたのは、様々な薬の作用機序を調べ始めてからだ。当然、「生理学」や「薬理学」も勉強しはじめた。
代謝学を学び始めて絶対薬はやめたほうが良いと感じた。
母を見ていたから勉強した。最後に僕に「学ぶこと」の大事さを教えてくれたのは母なのだ。
マグネシウムというのは「毒」で腸内にあると水で薄めて早く排出しようとするから腸から血液の中の水分が排出されます。
つまり腸の粘膜細胞が腸内のマグネシュウムの濃度を感じ取って、血を絞り出しているのです。
具体的には水分を外に送り出すアクアポリンが細胞の内側に運び込み粘膜の外側に排出している(と思います=としか考えられません)。
血液から水分が排出されるのですから、「口乾き」「血圧の変化」が起こるでしょう。
またマグネシュウムが血液の中に入り込んで流れ始めたら、身体のあらゆるところの細胞は細胞外部のマグネシュウムの増加を感じ取ってそれぞれに動き出します。80兆個の細胞が身体のそれぞれの場所でDNAに従って様々な代謝を行い始めます。
心筋細胞も、血管内皮細胞も、きっと同じ「律」に従っている。
全てマグネシュウムという毒に対しての厳戒態勢に入る。それが副作用なのだ。身体の当たり前の反応なのだ。
毎日食事を作って、舌苔とかは良くなっていったのだけど「不安(ディバス)」「便秘(マグミット)」に勝てた(断薬出来た)のはなくなる2ヶ月前でした。
薬は征露丸と芍薬甘草湯だけでいい(笑)。
注)腸肝循環
解剖生理学の本を読んで初めて知った。昔から胃液(酸性)はどうやって中和されているのだろうかということは疑問だった。血液の中性脂肪を材料に肝臓で胆汁酸という物質に代謝して胆嚢(肝臓の裏側)に集め、十二指腸(胃につながっていて小腸へとつながっている)から消化液として吐き出される。胃液は酸性だが、胆汁酸は粘膜の一番外側で活性化(アルカリ性になって)胃液を中和する。このプロセスは生まれてから死ぬまで続く。他の消化器系のプロセセスと同様に勝手に動くのだ。出なければ胃液が十二指腸を痛める。十二指腸潰瘍とかお聞きになることは多かろう。胃酸過多とか消化器系の問題に対してよく効くブロッカーもある。ガスター10って聞いたことあるでしょう。H2ブロッカー薬と言われ、胃の粘膜に分布する受容体を目潰しします。身体に良い訳がない。しかし、胃がいたいのは辛い。
そして大事なことは、小腸からまた身体に取り込まれるのだ。取り込まれ方が少ないと中性脂肪を捨てることになる。同じものを食べても皆違った身体になるのはこういった代謝系が異なっているからである。
新しい便秘薬はこのプロセスに介入するという。十二指腸での胆汁酸の分泌を司る受容体が標的なのだ。これは恐ろしい。マグミットも恐ろしいが、こちらも大変恐ろしい。受容体のブロッカーやその逆の問題点は身体の何処で使われているかわからないところにある。多くの薬剤は年齢に制限をする。これは、年令によって細胞膜上に埋め込まれている受容体の役割が変わるということである。状況によって動かなくなるものもある。インスリン抵抗性(インスリン受容体が働かなくなる)はまさにこれである。しかし、それには意味があるのだろうと思っている。
母の補聴器を探していたら、断薬した時の最後の薬がっ出てきた。
一緒に、香水がしまっていた。香りが懐かしかった。
これは、母の母のもの。耳に入れるだけの物があったのだが。確か、未知との遭遇でトリュフォーがつけていたと思う。
最近のコードレスイヤホンと携帯電話で十分役に立つような気がした。技術は進む。補聴器屋さんピンチだ。というよりも、新しいテクノロジーで新製品が開発されていっているんだなあと思う。
耳の穴に埋込み型のデバイス市場が一気にでかくなったからねえ。
母が亡くなったあとで、お店の前を通ったので挨拶しようと思い中に入ったら、新聞で見たと言われ、涙が出そうになって慌てて外に出た。お気に入りの店員さんだった。年寄りを相手にするのは難しい仕事だと思う。よく相手をしていただけた。
厨房研究に使います。世界の人々の食事の価値を変えたいのです。