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「高齢者等避難」の「等」とは誰か

南海トラフ地震臨時情報が出ていました。

何か書いておこうと思いはしました。けれども、すぐに(調査中)が(調査終了)になりました。

南海トラフ地震臨時情報は、(調査中)であろうと(調査終了)であろうと変わらないんです。
少なくとも私にとっては。

防災は「常に」備えるものであるからです。
(巨大地震注意)であろうと変わりません。
「常に」とは「常に」を意味します。

とは言え、少しだけ述べておきます。

高知県黒潮町の事例

昨日ではなく、今日に入ってからになりますが、専門家の意見がNHKで取り上げられていました。

片田特任教授は「南海トラフ地震臨時情報」が発表された場合の対応について高知県黒潮町を例にあげ、「去年8月に臨時情報のうち巨大地震注意が発表された際、町は沿岸部に住む一部のお年寄りには夜に限って避難してもらうなど冷静な対応だった。臨時情報がどういうものか役場も住民も理解が進み、去年の経験があって今回も落ち着いた対応がとられていた」と評価しました。

上記リンクより筆者引用。

高知県黒潮町の去年の事例が挙げられています。
表現こそ適切でないですが、高知県黒潮町以外の津波浸水区域でも役立つものと思います。

表現が適切でない

しかしながら、表現が適切ではありません。

「事例として、そうだったんだから良いんだ」ということでは無いのです。
これでは他の市町村に応用が効きません。

どこが適切でないか。
「一部のお年寄りには」というところです。
わかりやすい表現に「してしまっている」ため、結果として「わかりにくい」のです。

高知県黒潮町の「一部のお年寄り」とは誰か。
「警戒レベル3」(高齢者等避難)の対象者です。
黒潮町は高齢者等避難を夜間限定避難にしていて「警戒レベル2.9」にしていたということです。

この「高齢者等避難」の「等」は、何度でも強調「しなければならない」ものです。

「高齢者等避難」の「等」とは誰か

「高齢者等避難」の「等」とは誰か。
政府広報オンラインに明記されています。

https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201906/2.html

上記リンクより筆者引用。

警戒レベル3は、危険な場所から高齢者等は避難

市町村から警戒レベル3「高齢者等避難」が発令された段階です。避難に時間がかかる高齢のかたや障害のあるかた、避難を支援するかたなどは危険な場所から安全な場所へ避難しましょう。また、土砂災害の危険性がある区域や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いにお住まいの方も、準備が整い次第、この段階での避難が強く望まれます。また、それ以外のかたもふだんの行動を見合わせたり、いつでも避難できるように準備をしたり、危険を感じたら自主的に避難をしましょう。
避難情報の発令状況は各自治体やNHKのページ等でも確認できます。

上記リンクより筆者引用。

「避難に時間を要する人は避難」です。
(引用画像参照。)

避難に時間がかかる高齢のかたや障害のあるかた、避難を支援するかたなど。
土砂災害の危険性がある区域や急激な水位上昇のおそれがある河川沿いにお住まいの方。
それ以外のかたで災害の危険を感じたかた。

高齢であるか否かは問わないのです。
避難に時間を要する人間は全員です。
避難に時間を要しそうに「なりそうな」人間さえ含むのが「高齢者等」です。

「高齢者等」は、迅速な避難における要支援者、及び支援者、そしてその予備群のことを意味する文言なんです。

高齢者等からは変えなければならない

私は「高齢者等」から「要支援者及び支援者」に変え「なければならない」と思います。
「早期避難対象者」でも構いません。
「高齢者等」からは、変え「なければならない」と思っているのです。

前期高齢者が「まだ高齢者じゃない」と言って、嫌がる可能性がありますし、軽度障害の人たちが差別されるかもしれないからです。
(「ヤングケアラー」や「きょうだい児」もです。)

避難所は公助です。
(厳密な表現でないことはわかっています。)

全員避難の場合であれば「あいつだけずるい」が生じにくいものですが、「全員でない避難」では「あいつだけずるい」が生じやすくなってしまうことでしょう。

ゆえに、「高齢者等」という文言からは脱却しておか「なければならない」と思います。

そうでないと、高齢でない弱者に皺寄せが行き、死傷者が増える可能性が高いと思っています。

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