サッカーで例える「なんたら長」の動き8
今回もサッカーで例える「なんたら長」の動き、の続きを述べようと思います。
前回はこちら。
負傷による選手交代
今回述べようと思うのは、選手交代について。
特に、戦況を変化させるための選手交代でなく、負傷による選手交代についてです。
サッカーは、急な負傷者が出た場合に、スタメン(スターティングメンバー)を最初のポジションから斜め前や斜め後ろに移動させることがあります。
例えば、ワントップのFWが負傷しベンチに下がる際には、スタメンのSMFをFWに上げて、ベンチのSMFを投入することがあります。
逆のケースもあります。
スタメンのSMFが負傷しベンチに下がる際には、ワントップのFWをSMFに下げて、ベンチのFWを投入することもあります。
昭和型組織はどうか
昭和型組織はどうでしょうか。
急な負傷、或いは、急な転出の際に、どのようにしているでしょうか。
「FWが負傷したら、FWを入れる」でしょう。
それ自体はサッカーでもあります。
ただ、そこからが違うんです。
クローン人間になることを要求し始めること。
これがサッカーと昭和型組織の違いです。
「前任者はやってくれていた、いたのだ」という言葉は、同調圧力にもパワハラにも出来ます。
その動きは本当に業務だったのか。
業務、善意、個性、属人化、そんなものは完全に分けることが出来ない曖昧なものです。
しかしながら、曖昧なものであるのに、前任者と全く同じ動きを、後任者に求め始める。
後任者はクローン人間では無いのに。
昭和型組織は、これがいけないのです。
サッカーはクローン人間を求めない
サッカーはクローン人間を求めないのです。
スタメンとリザーブで、完全に同じプレイがあるはずがない、という合理的な理由です。
リザーブはクローン人間ではないのです。
昭和型組織は、そんなことさえ忘れがちなので、後任者をクローンのように扱うのです。
サッカーは違います。
FWも行けるSMFをFWにすることもあります。
SMFも行けるFWをSMFにすることもあります。
けれども、SBも行けるSMFに「SMFなんだから、ワントップのFWに行け」とは言いません。
個々人の徹底的把握があり、複数の戦術プランがあり、不測の事態の練習もしているからです。
FWが負傷した時に、SMFを斜め前に置くために、攻めのSBをSMFにして、ベンチからは守りのSBを入れることがあるのは、そういう事態に備えた、予めの練習によるものです。
予めの練習によって、複数の戦術プランを試しているから、ハイレベルのパフォーマンスを出せるということなんです。
昭和は弥縫策
昭和は弥縫策なんです。
その場の取り繕いに過ぎないんです。
弥縫策であるがゆえに、FWの代わりのFWを募集して、前任者のクローン人間になることを求めてしまうのです。
FWが来れば、似たプレイもあり得るでしょう。
(クローン人間のプレイは無理ですが。)
実際には、SMFが来ることがあります。
攻めの良いSMFも、守りの良いSMFもいます。
昭和型組織の昭和型判断では、FWとSMFの区別がつくわけがありません。
SMFにFWのクローン人間になれ、と言ってしまうのがせいぜいでしょう。
その場の取り繕いのことしか考えられないから、昭和型組織は弱くなっていきました。
「働き方改革」の流行り
昭和型組織が次から次に弱くなっていったため、「働き方改革」が流行しました。
組織の強化のためにはどうすれば良いか。
組織をサッカーに例えれば良いのです。
と言いたいですが、サッカーがわからなくても、出来ることがあります。
同時起用に着目することです。
スタメンは固定、リザーブは代替、という概念を打破し、同時起用を試してみることです。
「働き方改革」の分野で、同時起用に着目して、「働き方改革」を提唱し始めたのは、極々一部の人しかいませんでした。
株式会社ワークライフバランスの小室さんぐらいだったと思います。
スタメンの女性を起用できない時にどうするか。
リザーブメンバーを代替要員とするのではなく、後々、スタメンの女性と組ませることも考えて、ポジションを探る。
小室さんの御趣旨は、概ねこういうものだったと記憶しています。
サッカーに当てはめて考えていくと、理解が進むものと思います。
「働き方改革」の歪み
しかしながら、「働き方改革」の流行り始めとは違い、今はもう歪んでしまいました。
育休取得率によって、厚労省のカネがつくようになってしまったからです。
目先の数字でカネがつくのです。
人間を数字にしてしまえば、KPIにしてしまえば、目先の数字でカネがつくのです。
補助金は麻薬なので、依存症患者が増えました。
代替の人員に、「クローン人間になれ」のような愚かな命令をする老害が維持されました。
「働き方改革」は、もう一度、流行り始めの頃に戻る必要があります。
そのためには、自組織をサッカーで例えて再考察して、リフレクションをすると良いでしょう。
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