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読書離れをどう読み解くか

衝撃のニュースがGoogle Chromeに出ていたので少し調べていました。

読書離れに関するニュースです。

電子書籍を含めてゼロ冊が62.6%

上記記事にはこうあります。

 月に1冊も本を読まない人が6割超に上ることが、文化庁が17日に公表した2023年度の「国語に関する世論調査」で判明した。同じ調査項目が設けられた08年度以降では最も多く、初めて5割を超えた。スマートフォンやネット交流サービス(SNS)の普及が原因とみられ、文化庁の担当者は「読書離れを顕著に示しており、国語力の養成に影響が出かねない」と危機感を示している。

上記リンクより筆者引用。

調査は24年3月、全国の16歳以上の個人6000人を抽出して郵送で実施。59・3%にあたる3559人から有効回答を得た。

 1カ月に読む本の冊数を尋ねる質問は08年度以降、5年ごとに実施。23年度調査で漫画・雑誌を除く書籍(電子書籍含む)を「1冊も読まない」と回答したのは62・6%で、18年度の前回(47・3%)から15・3ポイント増えた。過去3回の調査はいずれも46~47%台で、急速に増えた。

同上。

電子書籍の普及に伴って、紙の書籍が読まれなくなったという話「ではない」のです。

電子書籍を含めてゼロ冊が62.6%なんです。

これは私には理解しかねる話です。

本が読めないなんて。
そんな過酷で悲惨な状況に置かれているなんて。
なんて可哀想な話なんだ、と思いました。

私は「本が読めない」をセルフネグレクトの一種だと思っています。

ネット記事を読むのが75.3%

では、ゼロ冊の人は何を読んでいるのか。

一方で、本を読まないと回答した人にインターネットで記事などを読む頻度を尋ねる項目では「ほぼ毎日」との回答が75・3%と最多だった。文化庁は「活字離れとは言い切れない」との見方を示す。

同上。

ほぼ毎日、ネット記事を読む人が75.3%です。
それ自体は構いません。
(私のnoteでも構いません。)

けれども、どんなネット記事なのかは、気になるところですね。

少し調べてみるとありました。
まとめサイトなんです。

まとめサイトとか見ればいい?

なぜ最近の若者は本を読まなくなったのか? バラエティプロデューサー・角田陽一郎氏が若手起業家のAさんと話してわかった「普段、読書しない人が本を読まない5つの理由」を、新刊 『読書をプロデュース』より一部抜粋してお届けします。

上記リンクより筆者引用。

僕ら読書好きの多くは「本を読むと楽しいですよ、人生が変わるきっかけになりますよ」「直接できない体験や、会えない場所や時代の人とアクセスすることができるんですよ」と、本を読まない人に伝えたことがあると思います。

同上。

でも、本を読まない人には、それ以前の問題なのです。読書のよさをいくら言われても、本自体にアクセスすることが面倒なのです。つらいし、時間がかかるし、楽しくないし、よくわからないし、不便だから。

同上。

角田陽一郎さんと対談した若手起業家の主張ではこういう5つの理由があった、という話でしかないと思いたいです。
けれども、2024年の読書離れにも通じる話であると思います。

対談相手の若手起業家はこう言ったそうです。

「だって、その本のストーリーを知りたければ、まとめサイトとか見ればいいじゃないですか?」

「え、まとめサイト?」

「そのほうが早いし、わかりやすいし、便利ですよ」

例えば、ドストエフスキーの『罪と罰』が面白いと、誰かから聞いたとします。すると彼は『罪と罰』で検索し、そのまとめサイトを読んで、内容を理解するのだそうです。

本そのものを読まなくとも、それで『罪と罰』のストーリーはわかるので、それ以上に何が必要なのか、ということでした。

「まあ、それで『罪と罰』の面白さは、少なくとも理解できますよ。それじゃいけませんか?」

同上。

そんな話があって良いのか。

そんなこち亀(『こちら葛飾区亀有公園前派出所』)の話みたいなもんが、本当にあって良いのか。

まとめサイトだけで「それで良い」のか。
私には衝撃的な内容でした。

要素の摂取だけで良いのか

私はかつて、「食事のコスパとは何か」について述べています。
錠剤の摂取なんて食事ではないと述べています。

読書でもそうなんです。

炭水化物、プロテイン、マルチビタミン。
全て粉で摂取できますが、そんなものは食事ではありません。

要素の摂取だけで良いのかと思います。

食事にせよ、読書にせよ、雑味のようなところが大事です。
そのほうが健康に良いはずなんです。

もし食事が粉末と液体だけになってしまったら、地獄でしかないでしょう。

読めないなんて可哀想

角田陽一郎さんの言葉を、再度引用します。

僕ら読書好きの多くは「本を読むと楽しいですよ、人生が変わるきっかけになりますよ」「直接できない体験や、会えない場所や時代の人とアクセスすることができるんですよ」と、本を読まない人に伝えたことがあると思います。

同上。

角田陽一郎さんの仰ることはその通りです。
けれども私はこういうことはあまり言いません。

「読む良さ」より「読めない悪さ」がどうしても先に来てしまいます。

食事と読書は同一だと思っているからです。

何も食べず「粉末と液体で良いじゃないですか」と言っている人間がいたら、セルフネグレクトをやめろと言いたくなります。

私にはそれぐらいの苦行に見えます。
なんで好き好んで苦行で良いと言うのか。
私には意味がわからないのです。

ただあまりにも可哀想なので、粉末でないものを食べてほしいと思います。

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