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昭和のシートと昭和のシートベルトのほうこそを議論していけ
チャイルドシートがニュースになっています。
けれども、「チャイルドシート」を論じていて、本当に良いんですかね。
昭和のシートと昭和のシートベルトのほうこそを議論していけ、と思います。
典型的な昭和の残滓だと思ったので、述べていくことにします。
発端となったのは産経
発端となったのは産経新聞です。
チャイルドシートを使わず、シートベルトをした子供が死傷する事故の増加を受け、日本自動車連盟(JAF)がチャイルドシートの使用を推奨する基準を見直すことが21日、わかった。これまでチャイルドシートの使用は身長140センチ未満を推奨していたが、安全性を重視し、来年に150センチ未満に引き上げる。
JAFの推奨基準が来年引き上がるんですね。
ただ、あくまでJAFの推奨基準。
法律では年齢のままなんです。
国内では法律で6歳未満の乳幼児はチャイルドシートの使用が義務付けられている。一方、JAFは6歳以上でも140センチに満たない場合は児童用チャイルドシートの着用を推奨している。
海外では身長150センチ未満の子供のチャイルドシート使用を義務付ける国もあり、日本自動車工業会も子供の交通事故による死傷者を減らすため、150センチまで児童用チャイルドシートの使用を推奨している。
ただ、国内では団体によって推奨基準は統一されておらず、JAFの引き上げで基準統一の動きが広がる可能性がある。
日本自動車工業会はもう既に150センチまで。
JAFは来年から。
推奨基準の統一は「動きが広がる可能性」でしかありません。
後発のFNNは踏み込んでいる
産経に比べ、後発のFNNプライムオンラインは、(系列でありながら)もう少し踏み込んでいます。
このニュースについて街の人に聞いてみると、「(シートベルトで苦しくなったことは)たまにある(身長148cm・大学生)」「言われてみれば、座席を高くすれば苦しむこともなくなるのかなって思います(身長152cm・大学生)」といった声が聞かれ、どこが苦しかったのか聞いてみると「首が苦しかった」という意見がありました。
チャイルドシート使用の水準引き上げが検討されていますが、150cmというと、大人でも当てはまる人がいるのではないでしょうか。
「チャイルド」シートを論じるのか
私には「チャイルド」シートを論じている意味がよくわからないのです。
そもそも140センチも150センチも「チャイルド」シートではないですから。
それぐらいの身長だと「ジュニア」シートです。
そして、大人にも150センチ前後はいます。
私の女性親族は全員150センチ前後です。
「チャイルド」シートを論じるのか、論じている場合なのか、とさえ思っているのです。
大人は適切に着用すればそれで良いんだ、では、子どもも形骸化するに決まっています。
現在のジュニアシートを見れば明らかでしょう。
150cmが具体的にどれくらいかというと、小学校高学年の平均身長程度。
小学校高学年くらいの子どもは「ジュニアシート」というシートを使うということですが、ジュニアシートの実際の使用率は低く、JAFによると2割ほどで、まだまだ定着していないということです。
150センチの大人には推奨されていません。
が、推奨されることになっても、2割も行かないと思います。
昭和のシートと昭和のシートベルト
何センチであろうと大人は大人なんです。
論じていかなくてはならないのは昭和のシートと昭和のシートベルトなんです。
現在、ありとあらゆるものが昭和型ジェンダーに基づいてつくられています。
私は173センチなので困らずに済んでいます。
けれどもそれは、150センチ前後の人の我慢の上に成立しているものです。
148センチの田中絢子さんはこう仰っています。
車の座席を一番前にしてもペダルがギリギリ。
車の座席を一番前にしているから見えにくい。
一人一台という車社会は、150センチ以下の人間を想定していなかったのです。
だからこそ、ジュニアシートを推奨するよりも、昭和のシートと昭和のシートベルトのほうこそを論じていくタイミングであろうと思います。
車に限った話ではない
車に限った話ではありません。
田中絢子さんはこうも仰います。
電車の吊り革に手が届かない。
満員電車では頭上で本を読まれる。
田中絢子さんの頭上は田中絢子さんのスペースであるはずなのに、占領されているのです。
148センチの通勤を想定していないからです。
148センチなら通勤じゃなくて通学だろう、という昭和的な価値観、昭和的な上層部による決定が、田中絢子さんの頭上を占領させています。
だからこそ、「チャイルド」シートを論じている場合なのか、と思います。
何センチだろうと大人は大人なのですから。