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「コンペに勝てない」と嘆く営業パーソンに告ぐ、営業は”不完全情報ゲーム”である話。


仕事終わりでヘトヘトの人へ

おそらく、このタイトルをクリックしてくれた方は営業に携わる方で、コンペに勝つためにどうにかならないか?と考えている方でしょう。そんな方々は、日々の業務で忙しく、お疲れだと思います。
この記事で伝えたいことを最初に書いておきますので、時間が無い方は、そこだけ読んで、どうか疲れた身体を休めていただければと思います。

【伝えたいこと】
★営業活動で成果を出す(=コンペに勝つ)には、事前の”準備(=情報収集)”が大事
★営業活動では、短期の成果がでなくても嘆く必要はない。大事なのは長期で見たときの勝率。

もう少しお付き合い頂ける方は、次の章以降もお読みいただければ幸いです。

まずは、自己紹介から

改めまして、記事をお読みいただきありがとうございます。私は新卒(2015卒)でネット広告代理店に入社しました。そこから10年目の今まで、ずっと営業部に所属しています。コンペを何回も経験し、何回も負けました。。(笑)自己紹介は下記の記事でもしていますので、もしよろしければご覧ください。

さて、この記事では「これをやったらコンペで勝てる!だからこれをやれ!」というようなことを言うつもりは全くありません。ただ、10年間、営業をやってきた中で、「営業」というものが何なのか?少しだけ見えてきたような気がするので、自分の思考整理のために筆を執りました。そんなチラシの裏のメモ程度に読んで頂ければ幸いです。

完全情報ゲームと不完全情報ゲーム

みなさんは、「完全情報ゲーム」と「不完全情報ゲーム」という言葉をご存じでしょうか?僕は、大学時代に経済/経営学を専攻しており、在学中に唯一真面目に受講していた「ゲーム理論」の講義で、初めてこの言葉を知りました。

▼完全情報ゲームとは・・・
ゲームをしているプレイヤーが、次の動作の判断をする時点で
他のプレイヤーがこれまでに行った動作を確認することができるゲーム
例)将棋、チェス、オセロ etc

▼不完全情報ゲームとは・・・
ゲームをしているプレイヤーが、次の動作の判断をする時点で
他のプレイヤーがこれまでに行った動作を見ることができないゲーム
例)麻雀、ポーカー、花札 etc

世の中のゲームは、実は不完全情報ゲームの方が多いようです。不完全情報ゲームのほうが「読み合い」や「運」などが絡んでくることで、ゲーム性が高く、ジャイアントキリングが起きやすい(=初心者が成功体験を積みやすい)ので、エンタメとして成立しやすいのかなと考えております。

不完全情報ゲームの特徴と攻略法

そして、不完全情報ゲームには特徴が2つあります。

特長①:攻略するには自分だけが知っている情報を増やすことが重要
特長②:運要素もあるのでプロでも素人に負けることがある。

不完全情報ゲームの攻略法

①は不完全情報ゲームの攻略法です。極端な話、麻雀やポーカーで自分だけが他のプレイヤーの手札を知っていたら、運悪く手札が弱かったとしても、負けない立ち回りをすることが可能です。そして、ゲームを繰り返す中で手札が良い時に、勝負を仕掛けることで、勝ち越すことができます。
つまり、麻雀やポーカーのように一度限りの勝負ではなく、不完全情報ゲームを複数回行い、その勝率で競うようなゲームの場合、「相手は知らないが自分は知っている」状態を作り出すことで、ほぼ確実に勝ち越すことができるというわけです。

”運”負けするのも不完全情報ゲーム

②は私独自の解釈なので間違っているかもしれませんが、不完全情報ゲームはその不完全さ故に、素人や初心者でもプロに対して”ワンチャン”があるのではないか?と考えています。例えば、私はは麻雀が好きでたまにやるのですが、1局だけの試合(1回の勝負)なら、もしかしたらプロ相手に挙がることができる(=勝つことができる)かもしれません。配牌(手札)が良ければ勝てます。(究極、天和・地和などがでれば勝てますから(笑))
しかし、プロリーグのように1年を通して何半荘も繰り返して勝負をしていったら、結局は実力の差がでてしまい、当たり前ですがプロに軍配があがります。

営業は麻雀である!(営業は不完全情報ゲームである!)

ここからが大事なのですが、営業(=提案活動やコンペ)というのは、まさに「不完全情報ゲーム」なのではないか?ということに気づきました。例えば、私は広告代理店ということもあり、よくコンペに参加します。そこで、顧客側の課題や予算をヒアリングするのですが、ここが一つ勝負の結果を大きく分けるポイントだと考えています。
何故か?というと、ヒアリングする人(のスキル)やヒアリングする相手(が持つ情報)によって、コンペに参加する各社が持つ情報に差ができます。それは予算やニーズや課題だけでなく、コンペ相手が何社いるのか?どういう会社が参加しているのか?どんな提案(内容や金額)をしようとしているのか?なども含まれます。そして、それらの情報を全て、完全に把握することはほぼ不可能で、すべてのコンペ参加会社が全く同じ情報ということは建前上あっても、本当のところは絶対に情報量に差が生じます。したがって、営業は不完全情報ゲームです。

営業活動(コンペ)の攻略方法

そこで、さっきの話を思い出してほしいのですが、不完全情報ゲーム攻略の鉄則は「自分だけが知っている情報を増やすこと」です。ポイントは「自分だけが」の部分です。「コンペ相手は知らないけど、自社は知っている」という情報が多ければ多いほど、コンペに勝つ確率が上がります。
コンペ相手の提案内容が分かっていたら、それを上回る内容の提案を作ることができます。コンペ相手の提示金額がわかっていたら、それを下回る金額を提示するか、価格は高いけど、高いことを納得させるだけのロジックを用意することが可能です。また、コンペ相手が知らないお客様の課題がわかっていたら、それを提案することで有利になることができます。
つまり、コンペの攻略法は、「コンペ相手は知らないけど、自社は知っている」という情報を増やすことなのです。コンペにおいては提案書を作り込むことも大事ですが、それ以前に顧客の課題を聞き出したり、コンペ相手の情報を知ることのほうがよっぽど大事なのです。そうして集めた自分だけが知る情報を駆使して、「どうやったら勝てるか?」を考えるのです。

振り返り範囲と諦め(切り替え)

そして、もう一つ。不完全情報ゲームなので、どうやっても知り得ないような情報が絶対にあります。それによっては「負けても仕方がない時」があるのです。なので、大事なのは「情報収集を怠らなかったか?」「どうやったら勝てるか?を考えたか?」(=持てる情報の中で最善手を打てたか?)ということで、結果は結果です。コンペに負けたときに提案書の中身やプレの様子だけを反省するのは無意味で、ヒアリング(=情報収集)の時からすでに勝負は始まっています。また、不完全情報ゲームなので”ワンチャン”負けることもあるので、変に引きずらないことも重要なのかなと。最終的に勝ち越せばいいわけで、一喜一憂する必要はない、と思うと、日々プレッシャーに晒されている我々営業としては、気が安らぎますよね。

営業のプロとして・・・

我々、営業は営業活動をしてお給料を頂いているので、営業のプロです。コンペに負けることもあるし、負けが続くこともあるかもしれないけど、情報収集と最善手を打つことには、常に全力であり続けたいですね。

終わりに

大学で学んだことと麻雀をたくさんやってきたことが唯一仕事に活きたシーンでした。営業って辛いことも多いんですけど、これまで書いたように広く捉えればゲームなんですよね。ゲームと捉えて、いかに攻略するか?と考えることができれば、日々のプレッシャーの中でも気持ちが少しだけ楽になるかもしれません。

僕は割とゲーム感覚で営業をやって、心を平穏に保ちつつ、楽しんでたりします。

負けたら悔しいんだよなーーー

最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

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