浮世のバカは 起きて働く
「世の中に
寝るほど楽は なかりけり
浮世の馬鹿は 起きて働く」
江戸時代 | 太田蜀山人の「狂歌」らしいですが、まぁ作者不詳ということもあるらしいです。
私の1907年 (明治40年) 生まれの曾祖母がよく
「寝るほど楽なことない、
浮世の馬鹿は起きて働く」
と、言っていたのを覚えています。
長野県諏訪の生まれで、三国協商成立、第3次日韓協約の年に生まれた曾祖母ですが、2009年に他界しました。
曾祖母の幼少期は、大変賢かったようで、
"大統領" ともてはやされていたようですが、高等学校や大学には行っていません。
実家は養蚕業 (金子三郎氏) をやっており比較的裕福ではあったそうですが、
晩年の本人談によれば、「自信がなかった」とのこと。
戦中、戦後に親族は病気や戦死するなど、母一人子一人の状況になり、
さらに養蚕業の衰退や、戦後の "農地改革" が決定的となって貧しい生活をしたようです。
長野県諏訪の生まれで山に囲まれて生きてきたり、
親族を失ったり、苦労した人生だったからか、
日常的に、ニヒルで皮肉な発言が多いのを覚えています。
そんな曾祖母は自分自身を振り返って、
「世の中に
寝るほど楽は なかりけり
浮世の馬鹿は 起きて働く」
と、言っていたのかもしれません。
仕事にかまかけていると、曾祖母のそんな言葉と暮らした幼少期を思い出します。
(結局、ボードゲームなどで勝てなかった記憶も合わせて)