「われら闇より天を見る」を読んで|読書感想文
われら闇より天を見るは数々の賞をとった作品です。
・2021年ゴールド・ダガー受賞
・2023年本屋大賞 翻訳小説部門 第1位
・2023年宝島社 海外編 このミステリーがすごい!第1位
・2022年海外部門 週刊文春ミステリーベスト10で第1位
・2023年ハヤカワミステリマガジン2023年1月号海外篇
今日はAmazon オーディブルで完読したわれら闇より天を見るの感想文です。
あらすじ
舞台はアメリカ カリフォルニア州の海沿いの町ケープ・ヘブン。12歳の少女ダッチェスには歳の離れた5歳の弟ロビンがいる。
ふたりとも自分の父親を見たことがなく、また誰が父親だったのかも知らない。ダッチェスの母は30年前、自分の妹を事故で亡くした。ひき逃げ事故だった。
最悪なことに犯人は当時付き合っていた恋人ヴィンセントだったことがわかる。恋人ヴィンセントは捕まり、刑務所に服役中。その事故以来、ダッチェスの母は立ち直ることができず、アルコールに頼る生活を続けていた。
12歳のダッチェスは可愛い弟を守るのは自分しかいないと、自称無法者として強く生きようとしていた。
30年もの長い服役を終え、そのヴィンセントが町にもどってきてから、起こる事件。ヴィンセントの幼なじみの町の警察署長ウォークはその事件の真相を追っていく。
感想
気持ちがひどく滅入っている時の読書にはおすすめできません。重い作品の部類にはいります。
ただし、素晴らしい小説であることに間違いはありません。
Amazonオーディブルの再生時間は18時間38分と長編ですが、話のながれがよく作られているため、長さを感じることはありませんでした。
描写がとても細かく描かれており、私の頭の中は映像がずっと流れているような感覚でした。
自分には明るい未来はやってこないと、とうに人生を諦め切って生きている12歳のダッチェスの生き様を小説を通して、見続けるのは切なかったです。
これでもかというほど、彼女を何度もどん底に追いやるので、どうか最後にはダッチェスを幸せにしてほしいと願いながら聴いていました。
さて、12歳のダッチェスについてはネタバレになるのでここまでにします。
著者クリス・ウィタカーについて
クリスがこの小説を書き始めたのは、なんと20年前のこと。
20年前、クリスは強盗に襲われ刺されました。、そのことがトラウマになり精神にダメージを受け、カウンセリングを受けていました。
カウンセラーから療法のひとつして、何かを書いてみることを薦められ、この小説が誕生しました。
クリスはこう語っています。
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