テレビドラマ初回のみ“ふんわり”レビュー<2022年4月期>
※『やんごとなき一族』『パンドラの果実』など2週目のプライム帯のドラマを中心に更新しました!
前回のテレビドラマのふんわりレビューが好評だったので春ドラマも初回のみのレビューやりたいと思います。
あくまでふんわりなのであしからず。
星の評価は
<★★★>次回楽しみ!
<★★☆>次回も観る!
<★☆☆>次回もまー観るかも!
<☆☆☆>次回以降もう観ない!
くらいの感じです。
ほぼネタバレはないと思うのですが、未見の方は一応お気をつけください。
※ちなみにTVerで観ているのでTVerにないNHKやWOWOWプライム等のドラマは除外してます。
リンク先のTVer等は期限切れで見れなくなっている可能性もありますのでご了承ください。
【月曜日】
<★☆☆>『恋なんて、本気でやってどうするの?』
広瀬アリス&松村北斗(SixTONES)主演、『ラブジェネレーション』 『ラスト・フレンズ』などの大御所・浅野妙子のオリジナル脚本ラブストーリー。
恋愛は究極の無駄遣いと強がって恋に臆病な主人公がイケメン店員と出会ってしまって恋が動き出す...ってこのプロットもーいい加減良くないかな?
みんな何かしらあるぞと種をばら撒く初回。群像劇っぽい感じで進んでいくのかな。
「恋愛で空いた穴は結局恋愛でしか埋められない」みたいな結末は多様化する現代社会では受け入れられづらい気がするけど...
今の世の中で恋愛ドラマを作る事の難しさ。
陶器会社の話なのでステキな器がたくさん!
リッタイとうつわの鴨下さんの陶器がとにかくステキ!
<★☆☆>『元彼の遺言状』
2021年のこのミステリーがすごい!大賞を受賞した新川帆立の同名小説を実写化。これは各所での評価通りちょっと戸惑ってしまった。
1話自体が超長い予告編のようなぶつ切りのハイライト的に構成されていて、登場人物の出方も含めてとてもわかりづらい。
映画や特別ドラマの前後編くらいの作品を観ているようで、原作を観ていない人(私は観ているのですが)は果たして理解できたのだろうか?
「原作とは異なるエンディング」と謳っていたし、所々飛び飛びとはいえ1話終わりで原作の半分くらいまで話が進んでいるので今後何か仕掛けがあるのか?
しかし弁護士の村山(笹野高史)の昔の弁護士仲間と剣持(綾瀬はるか)のくだりあたりはもう少しちゃんと描いて欲しかったなー。
ただこれは今後いらんラブストーリーを持ち込んだらそこで終わりな気はする…
【火曜日】
<☆☆☆>『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』
王道恋愛ドラマ枠のTBS火10枠は上野樹里&松重豊主演のオリジナルラブストーリー。
脚本が『病室で念仏唱えないでください』など骨太なドラマを書く吉澤智子なので少し期待していたのに...
「娘と妻に先立たれた父が一緒に婚活する」というタイトルも含めてなんか現代に媚びまくる感じ。
上野樹里の語る奥さんが欲しい理由、田中圭の会社にいるのではなくフリーになりたい理由がとにかくやばい。
そして母から父への最後の手紙を勝手に読む娘。
倫理観がぶっ飛んだドラマだった。
“杏花雨”のような美しい言葉が途中挟まれたり、オトナが楽しめそうな雰囲気だけにとにかくもったいない。
【水曜日】
<★☆☆>『悪女(ワル)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』
30年前のコミック/ドラマを『ハコヅメ』 『東京タラレバ娘。』の南雲聖一が演出し、今田美桜が主演に大胆リメイクしたお仕事系ラブストーリー。
窓際部署に配属されながらもやる気と根性、咄嗟の閃きでやる気のないどこか冷めた社員たちを変えてどんどんのし上がっていくと言う既視感の強いストーリー展開。
今季ソロ活女子のススメ2とのダブルヘッダー江口のりこの頑張りが見もの。
しかし副題も含めて全体的に漂う昭和臭というか絶妙なダサさみたいなものは狙いなのだろうか...
今後どれだけ現代の女性や若者が直面している問題に寄り添っていけるかが鍵になりそう。
<★★★>『ナンバMG5』
15年ほど前の小沢としお原作の同名コミックを、『踊る大捜査線』の本広克行が21年ぶりにテレビドラマを演出する(総監督や単発は除く)という話題のアクションコメディ。
主役の間宮祥太朗がいつまで高校生役やるのか問題は、ヤンキーの時は良いけどさすがに爽やか高校生の時は厳しかった。
最強ヤンキー家族に生まれながら普通に暮らしたい主人公・難破剛(間宮祥太郎)。
(エリートヤンキー)家族から期待されるモラトリアム期の子供の苦悩や伍代直樹(神尾楓珠)とのブラザーフッドなどなど、これはただのコメディにあらず!
朝倉未来の弟である朝倉海が監修しているアクションにも注目。
そしてWANIMAの曲はこの作風にピッタリ!
2話目は制作スケジュールの関係で延期になってしまったけど、もろもろ今後の期待値が高い作品。
<★☆☆>『特捜9 season5』
続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
しかし前シーズンから予兆はあったものの初回からずっとレギュラーだった村瀬さん(津田寛治)がゲスト扱いになり、新メンバーが加わった事であの絶妙だった特捜班のバランスが壊滅。
ちょっとこのシリーズはもー厳しいかも...
【木曜日】
<★★★>『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』
続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
『おっさんずラブ』 瑠東東一郎の演出なので相変わらず無茶苦茶やってます。広瀬アリスは『恋なんて、本気でやってどうするの?』とダブルヘッダー。
なんやかんやでまたもや遺産相続に巻き込まれる広瀬アリス。
滝藤賢一 水野美紀 広瀬アリスのトリオが繰り広げる唯一無二のコメディは健在。
しかし広瀬アリスこれはカロリー高い、高すぎる!
そりゃこんなの続けてたら...
<★★★>『やんごとなき一族』
こやまゆかりのコミック原作、土屋太鳳&松下洸平主演のラブコメ。迷走を続けるフジ木10枠だが、演出が『コンフィデンスマンJP』 『イチケイのカラス』の田中亮、脚本が『相棒』の神森万里江とスタッフ陣は固い。
とりあえず登場人物がみんな強烈。まさか現代の地上波で女優陣のつかみ合いが見れるとは。一昔前の昼ドラを見ているかのような...
周りに釣られてか松下くんも演技過剰な気が...
しかしこれは完全にコメディとして作っていくととても面白くなりそうな予感。
どーせなら今後は「絶対ありえないだろ!」くらい無茶苦茶やってほしい。
フジ木10枠の救世主になれるか。
<★☆☆>『未来への10カウント』
主演・木村拓哉&脚本・福田靖が『HERO』以来7年ぶりのタッグで話題のオリジナルボクシングドラマ。
キムタクお得意のジャンルモノドラマ。
内田有紀 生瀬勝久 柄本明 髙橋海人(King & Prince)などなど脇も豪華。しかし波瑠がめちゃくちゃチョイ役なのが謎。
初回の展開上かもしれないが安田顕と満島ひかりがもはや主役級の活躍。キムタクが霞む。
スポーツモノなので今後はどれだけ試合などのボクシングシーンをリアルに再現できるか。
「自分がいなくなって悲しむ人はいても困る人はいないかな」ってうじうじしてるおじさんが「コーチがいないと困るんですよ」って高校生からストレートに言われたらそりゃ刺さるよね!
<★★☆>『警視庁・捜査一課長 season6』
続編モノなので基本的には前からのシーズンを観ていないと厳しい。
今回はいきなりSF設定をぶっ込んでくる「さすが捜査一課長」という新シーズンの幕開け!
シーズンが進むにつれどんどんミステリーからコメディ寄りになっていますが、好きな人には堪らないでしょう。
【金曜日】
<★★☆>『インビジブル』
『アリバイ崩し承ります』 『集団左遷』のいずみ吉紘オリジナル脚本
で贈る会話劇×アクションのサスペンスミステリー。
とにかく高橋一生と柴咲コウの掛け合いが良い。ちょっと高橋一生の滑舌気になったけど、それでもテレビドラマであの掛け合いはなかなか見れない。
真実を知るためなら手段を選ばない人間たちの正義と悪のボーダーの話。
3年前の部下を殺した犯人を追う刑事・志村貴文(高橋一生)とその真相を知る犯罪コーディネーター・インビジブル(柴咲コウ)。
一見正反対の2人のバディは成立するのか?
とあるアメリカの大人気ドラマに設定が似ていると軽く炎上していたり、犯罪集団“クリミナルズ”みたいな若干チープな匂いがしたりと不安要素はあるものの、今後の展開に期待!
<★★★>『先生のおとりよせ』
中村明日美子&榎田ユウリというBLのスペシャリストがあえてBLを封印したグルメコミックが原作。
主演は最近新境地開拓の向井理と売れっ子の北村有起哉。
脇に神尾楓珠(ナンバMG5とのダブルヘッダー)財前直見 橋本マナミと深夜にしては豪華布陣。
ドSの官能小説家を演じる向井くんとドMの漫画家を演じる北村さんのコントラストが面白い。何もかもが合わないけどお取り寄せの趣味だけは合ってしまうという。
これから毎回出てくるであろう美味しそうなお取り寄せにも注目!
※今作品はTVerではなくアマプラにで独占配信中なのですが例外で追加しました。
【土曜日】
<★★☆>『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』
中村啓の小説原作、ディーン・フジオカ&岸井ゆき&ユースケ・サンタマリアのサイエンスミステリー。 『海猿』 『MOZU』シリーズの羽住英一郎が演出。
サイエンスとかミステリーとか個人的に大好物なので期待。
科学に希望をみる男と科学に絶望した女のお話。
科学の先は闇なのか?光なのか?という命題には興味あり。
ただ初回から“全脳エミュレーション”とかちゃんと説明するだけで2時間かかりそうな概念をヌルッと出してきたり。少し雑な印象。
物語的にも岸井ゆきのとユースケほぼ何もしてないけど大丈夫?
そしてHuluとの共同制作のためシーズン2がHuluで配信予定との事。
イヤな人は最初から観ないという選択肢もあり。
<★★☆>『俺の可愛いはもうすぐ消費期限!?』
『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』の田辺茂範によるオリジナル脚本で山田涼介&芳根京子主演のラブコメ。
ラブコメの名手・田辺×ラブコメの達人・山田のタッグはかなり期待。
時間が30分で見やすいのも良き。
ビジュアルだけで乗り切ってきた主人公・丸谷康介(山田涼介)の可愛いさがある日終わりを迎えると宣告される。
このおっさん(古田新太)に宣告されるあたりのファンタジー設定は少し謎だった。必要だったか...
でも最近大人気の芳根京子が演じる“鉄仮面”の女性社員とどんな風に恋に落ちるのか?楽しみです。
個人的にコメディ多めだと嬉しいなー。
【日曜日】
<★☆☆>『金田一少年の事件簿』
言わずと知れた金田一シリーズ5代目をなにわ男子の道枝駿佑が襲名。前回の山田版金田一や『99.9』の木村ひさしが演出。
まず道枝くんの金田一一のイメージが違う。堂本剛は別格としても前回の山田涼介がかなりイメージに近かったから落差が…
ついでにいうと沢村一樹の剣持警部がもっとイメージ違う。剣持のおっさんはもっとアホでマヌケだけど、やる時はやるって感じじゃないと。
SPとはいえさすがに1回で解決編までいく演出も速すぎる。
次回から前後編になるみたいなので前編終わりでの「俺が必ずこの謎を暴いてみせる〜」が聞けるかな。
<★★★>『マイファミリー』
演出&脚本に『TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』 平野俊一&黒岩勉コンビ、プロデューサーに『義母と娘のブルース』 飯田和孝という最強のスタッフ陣が作る日曜劇場はノンストップファミリーエンターテインメント。
ん?なーそれ?
娘が誘拐された身代金として2億を集めたものの残り3億を集められない鳴沢温人(二宮和也)に「たまには父親らしい所見せてよ」とか言ってさらに3億用意させようとする未知留(多部未華子)はさすがに無理ある。
そして結構ガッツリ刑事役でのサンドウィッチマン富澤はだいぶ浮いてるなー。なんかそこだけサンドのコント「刑事」を観ているような...
繋がる過去の事件。そしておそらく初回に出てきた誰かが犯人。
誘拐事件を通した家族の再生の物語。
ただ娘が誘拐される家族のサスペンス/ミステリーだと『真犯人フラグ』とか『10の秘密』とかあるけど、最初に書いたようにこの作品は“サスペンス”や“ミステリー”という言葉は使っていなくて単なる謎解きではない可能性あり。
これは続きが気になる!
ランキング形式まとめ
<★★★>
『ナンバMG5』『やんごとなき一族』『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』『先生のおとりよせ』『マイファミリー』
<★★☆>
『警視庁・捜査一課長 season6』『インビジブル』『パンドラの果実〜科学犯罪捜査ファイル〜』『俺のかわいいはもうすぐ消費期限!?』
<★☆☆>
『元彼の遺言状』『恋なんて、本気でやってどうするの?』『悪女(ワル)〜働くのがカッコ悪いなんて誰が言った?〜』『特捜9 season5』『未来への10カウント』『金田一少年の事件簿』
<☆☆☆>
『持続可能な恋ですか?〜父と娘の結婚行進曲〜』
ふんわり総評
今期の1話を観ただけの個人的オススメは『ナンバMG5』『やんごとなき一族』『先生のおとりよせ』『マイファミリー』の4本です!
(『探偵が早すぎる 春のトリック返し祭り』は続編のため前作から観てないと厳しいので除外。)
『ナンバMG5』は配役、アクション監修の朝倉海、音楽のWANIMAと全てが整ったヤンキードラマ。週の真ん中に気軽に観れるのも良き。
『やんごとなき一族』は舐めてた分の振り幅が良い方向に大きかった。この時代にこれだけ時代錯誤のメロドラマをやるなら、とことん振り切って最後まで完走して欲しい!
『先生のおとりよせ』は再び急上昇の向井理×最近ひっぱりだこの北村有起哉の演技合戦が魅力。
『マイファミリー』はサスペンス/ミステリーにあらずとは言え、さすがの展開力で次回が気になるように持っていく構成は素晴らしい。なんやかんやで考察も盛り上がりそう。
期待値の高かった月9やキムタクドラマなどの不発、そしてラブストーリーを作る難しさが浮き彫りになった2022年の春ドラマ。
やはりこんな世の中の状況なので、現実世界からかけ離れた完全なるフィクションで笑えるようなドラマが良いのかもしれない。
ドラマを観ている時くらい「なんだよこれー」って笑いたいじゃないですか。
今期は深夜ドラマ全然触れられなかった...次回の7月夏ドラマは深夜ドラマももう少しやりたいと思います!
テレビドラマにコロサレル!