「東博庭園の本命はどちら様？」
薫風(くんぷう)が
歓迎御礼
庭門で
東博の
庭園門で
風薫る
東博の庭園が好き
花は多くはないけれど
木が多い
大樹の庭園
歴史ある茶屋もたくさん
現役感は薄いけれど
古ぼけた感じは
侘び寂び引き立つ
さてはて
きょうの本命はどちら様？
何かに呼ばれて来たものの
しばらくしてもわからない
紅葉がたくさん
緑鮮やかな小さなオテテを
太陽にかざしてる
地面にはクルクル飛んだ種だらけ
一つ気になる紅葉
背は高すぎないけれど
横に広く
子どもでも触れる高さの紅葉
あなたですか？
あなたですね
ここはいい場所
エネルギーに満ち満ちている
紅葉の葉に触れて
コミニュケーション
鼓動を感じるよう
元気がいいね
この紅葉は面白い
斜めに反って
イナバウアーしてるみたい
だから背が高すぎない
もう一つ
となりの赤松を抱くように
葉で包み込んでいる
母のような木
けれどなぜだろう？
ここへ来たのは
その時目についた
白い斑点…
これは虫害
カミキリ虫かな？
オガクズは出てないからまだ初期だけど
あちらこちらに
もしかして
これを知らせたかった？
このままじゃ
どんどん弱るから？
東博の庭師に伝えようかな
それともこっそり周りに炭でも撒いちゃう？
いやいやちゃんと道理を通して
理解してもらわないとね
どうか負けないでね
紅葉母さん
元気があれば
虫は寄り付かない
冷たい風に当てられて
頭が痛くなってきた
あぁもう限界
ごめんね、また来るね
名残り惜しんで
庭門に差し掛かった瞬間
曇る空がひろがって
向かい風
行っちゃうの？
小雨まじりに
泣いた風
