「ホメない」教育ってなんだ?
こんにちは!かずまです。
noteを書き始めて早3日。今日は、僕が生徒と接する時に気をつけていることを、「ホメ」の視点から書きたいと思います。
「ホメる」とは
「ホメる」というと、どんなイメージがありますか。「ホメられて伸びるタイプだから」とか、「子供は叱るんじゃなくてホメて育てるべきだ」とか、色々ポジティブなイメージがあると思います。
「よくやったね」「がんばったじゃん」「すごい、さすが」
誰しも、一度は誰かからホメられた経験があるでしょうし、ホメた経験もおありだと思います。ホメる行為は、言う側も言われる側も、とても気持ちがいいものです。何を隠そう、僕は「ホメられて伸びるタイプ」です。(笑)
でも、ホメることが、教育においては必ずしも歓迎されないことも、わかっています。
ホメることで萎縮してしまう場合も
1998年、コロンビア大学のミューラー氏とデュエック氏がある実験を行いました。その結果「ホメることが、返って子供のチャレンジするモチベーションを下げてしまうことがある」とわかりました。
これを知った時、本当に驚きました。だって100%いいと思っていた「ホメる」行為が、悪影響を与えてしまうことがあるなんて、当時少しも思っていませんでしたから。(日本語でわかりやすく解説しているサイトがありましたので、以下に貼っておきます)
この実験で、興味深かいのは、「頭がいいね!」とホメたあとで、簡単な問題と難しい問題を選ばせた時、簡単な問題を選んだ子供は「ホメられた」グループで65%「ホメられなかった」グループで45%だったということです。「ホメる」ことが、難しい挑戦を避けようという気持ちを生み出していました。
ミューラー氏とデュエック氏はこう指摘します。
頭がいいと褒められると、とても気分がいい反面、失敗を恐れる傾向が強くなります。うまくいかなかったら格好悪い、恥ずかしいという意識が強くなり、挑戦することを避けてしまうのです。「https://kosodatemedia.com/archives/515」より引用
そこから、僕も自分の授業で少しずつ、子供への「ホメ」のアプローチを変えていくことになりました。そして子供たちの反応を見て、「これは本当にホメ方を気をつけないといけないぞ」と思うようになりました。
気をつけるべき「ホメ言葉」
では実際に、いま僕が気をつけている「ホメ言葉」をご紹介します。ただ、一つ付け加えておきたいのは、あくまで気をつけている言葉で、絶対使ってはいけない言葉ではないということです。場合や子供、タイミングなど本当に様々ですから、その時々で判断する必要があるということを申し上げておきます。
それではご紹介します。なお、( )内に、それによって生じるであろう心の声も合わせて記しておきます。
能力称賛系
頭いいね、天才だね
(よく思われたい、失敗は許されない)
カテゴライズ系
男子は~、女子は~、日本人は~
(自分は〜だから優秀/ダメな存在だ)
励ます系
努力すれば必ず報われるさ、ぜったいうまくいくよ
(《うまくいかなかった時》自分はダメなんだ)
褒賞系
〜できたらあげる、〜してからしなさい、〜しないとあげません
(ご褒美がもらえるからやりたい=なかったらやらない)
どうでしょうか。結構無意識に使ってしまう言葉が多いように感じませんか。特に、カテゴライズ系は差別問題に関わっています。教育に携わっているいかんによらず、慎むべきだと思っています。
「プライドが高い」子供でなく「チャレンジできる」子供に
じゃあ、子供をホメたい時はどんな言葉がいいのか。それも、コロンビア大学の研究がヒントをくれています。
もう一つの別のグループの子どもたちは、1回目のテストで成績を伝えられた後に、このように褒められました。「いい点が取れたのは、一生懸命がんばったからだね。」
「頭がいい」と知能を褒められたのではなく、「努力したこと」を褒めたのです。
同じように2回目のテストでは、難しい問題とやさしい問題を選択させます。するとどうでしょう、努力を褒められたグループの子どもたちは、約90%が難しい問題を選択したのです。さらに難しい問題にチャレンジした子どもたちは、家に帰っても続きをやりたいと言った子の割合も高くなりました。
「https://kosodatemedia.com/archives/515」より引用
僕は、この「努力をホメる」ことがとても大切だと思っています。なぜなら、これからの時代は「正解がない」からです。そんな世の中は「チャレンジするガッツ」が何より必要になります。
「うまくいくことが善」ではなく「チャレンジすることが善」とわかれば、難しい問題にぶつかった時でも立ち向かうことができます。
「うまくいかなかったらどうするんだ」と思われる方がいるかもしれませんが、僕はチャレンジできる精神を持っていることと、失敗のリスクを考えることは別問題だと思っています。
もちろん、チャレンジするにあたり、失敗のリスクはつきものです。
ですから、リスク管理は必須スキルだと思います。しかし、リスクを恐れて動けないようでは本末転倒です。まず、チャレンジできる心を育て、そのチャレンジを支えるための、リスク管理や、リスクを小さくして始める方法は後から学べば良い。兎にも角にも、崖に向かって一歩を踏み出せなければ、大空は飛べるようにはなりません。
以上、「ホメ」に関して、僕が生徒たちと付き合う際に気をつけていることでした!子供が素敵なことをした時、ホメたくなった時、試してみてはいかがでしょうか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?