【俳句】厳寒〜碧 萃生
厳寒やなほ立ち上がる拳闘士
昨日はAmazonプライムビデオで、ボクシングを見ていた。
まずは、辰吉丈一郎の息子、辰吉寿以輝が登場。
昨年、那須川天心に判定負けを喫した与那覇勇気を8回判定で下した。
僕たちの世代は、辰吉寿以輝よりも、時折り映る観客席の辰吉丈一郎にしびれてしまう。
続いては、WBA世界フライ級タイトルマッチ。
ユーリ阿久井政悟が無敗の王者、アルテム・ダラキアンを判定で下し新チャンピオンに。
変則的なチャンピオンに惑わされず最後まで自分のスタイルを貫いた結果の勝利。
岡山県のジムから初の世界チャンピオン誕生。
中継の第3試合は、那須川天心。
ボクシング転向後、3試合目。
過去2試合は、有利に試合を進めるもフィニッシュまで持って行けずに判定勝ち。
今回は初のTKO、とは言うものの、相手が3ラウンド終了後に右足首を痛めたために棄権した結果。
本当に強いのか、次こそはっきりKOで決める必要がある。
メインイベントは、WBA・WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ。
チャンピオンの寺地拳四朗が、2対0の判定で防衛を果たした。
審判の1人がドロー。
後の2人がそれぞれ2ポイント差で寺地という僅差の勝利。
前半はお互いダウンを奪い合う波乱の幕開け。
中盤で盛り返した寺地が、最後はなんとか逃げ切ったという感じだ。
寺地拳四朗は、これで具志堅用高と並ぶ世界戦14勝目。
僕も、高校で野球をやめた後、友人に誘われて、とあるボクシングジムを訪ねたことがある。
練習を見学した後、コーチらしき人に、
「ちょっと、やってみいひんか」
と声をかけられて、グローブをはめた。
サンドバッグを、見よう見まねで叩くと、
「お、なかなかスジがええやん。そこそこ行けそうやで。やってみいひんか」
今なら、向こうも商売なので、誰にでもそんなことを言っているくらいのことはわかる。
ただ、その時はまだ高校生だ。
舞い上がって、頭の中では、リングの上でチャンピオンベルトを巻いてガッツポーズをしている自分が見える。
帰って、親に報告した。
翌朝、父が、
「あれな、やめとけ。お母さんが心配してる」
それまで、何をやるにも反対しなかった父にそう言われると何も言い返せなかった。
あの時、もしも強引にジムに通っていたら、今頃は往年の名ボクサーとして、バラエティ番組の雛壇で具志堅用高も顔負けの天然ぶりを発揮していたかもしれない。
知らんけど。
まあ、僕はハングリーボーイどころか、親のスネを齧りながらぬくぬくと生きてきたので、多分、リングに上がる前にゴメンと謝っていただろう。
ちなみに、ボクサーは日本語で拳闘家と言うようだが、あえて拳闘士にしてみた。
調べると、拳闘士にもボクサーの意味があるらしい。
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