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突然、運命論者になる人

どこにでもいるだろう。
普段は、神も仏も信じていないのに、突然、自分の人生が誰かに操られているかのような言動をとる人。
その最もわかりやすい例が、
「どうして俺だけが」
と悲観し始める人。
「どうして俺だけが」と、さもそこにはあらかじめ定められた運命があったかのように。

まあ、上手くいかないことが重なると誰でもこんなふうに考えたくはなるものだ。
僕だってそうだ。

しかし、本当はこんなことで嘆いているほど無駄な時間はない。
目の前に神様か仏様がいるのなら、
「何で俺だけなんすか?」
と詰め寄るのもいいだろう。
でも、普通の人には神様も仏様も見えない。
神様みたいな人、仏様みたいな人は別にして。
だから、そんなことで嘆いていたって、その嘆きが誰かに伝わる可能性はほぼゼロだ。

それに、神様や仏様がどこかにいたとして、そんなに偉い人が(人と呼んでいいのかどうかはわからないけれど)、この世の何を左右するわけでもないたった1人の人生のあれやこれやに、いちいち関わっていると思う方がどうかしている。

だから、上手くいかないことがあっても、それはたまたまそうなっただけのことであって、パチンコの玉が釘の右に行くか左に行くかくらいのことと思っておけばいいのだ。
そして、淡々と次はもう少し強めに打ってみよう、あそこを狙ってみようと工夫するだけのことだ。
(多分、ここは何かのゲームに喩えた方がいいのだろうけれども、僕はゲームをやらないので)
何かと言うと、「人生終わった」なんて言う人がいるが、人生なんて、そう簡単に終わるものではない。

もちろん、僕も以前は酒飲みだったので知っている。
「何で俺だけが」と嘆きながら飲む酎ハイは、それはそれで美味いものだと。

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