『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する歴史思考』を読む
さて、本日は昨日の予告通り、深井龍之介『世界史を俯瞰して、思い込みから自分を解放する歴史思考』(ダイヤモンド社2022)の読書感想文です。200頁強の本なので、息子との電車旅の移動の合間に集中すれば読了できるだろうと見立てて読み始めたら、面白くてスイスイ読めてしまい、2時間弱でMisson Completedできました。決して薄っぺらい内容の本ではないものの、テーマがぎゅっと絞られているので、休日に取り組み易い本でした。
テーマを絞り込んで正解を叩き出した本
この本は、ある意味で歴史に魅せられた深井龍之介氏が、要点とエッセンスだけに絞って執筆した内容だと思いました。おそらくは、余計な贅肉を削ぎ落とし、氏の持つ知識と実力の1/10くらいを凝縮して書いたのだと思います。
変な意味ではなく、膨大な書物やデータと格闘しながら深く独創的な洞察を提示し続ける深井龍之介氏からすると『らしくない書』です。COTEN R ADIOで鍛え上げられた実力は、こんなレベルでは収まりません。それ故、読み終えた時には(決っして悪口ではなく…)、ちょっと物足りないかな...と感じました。(すみません)
評価を下すのが早すぎる現代人
深井氏は、いつか自分の本を出したいと考えていた人だったのは間違いありません。その個人的野心は、本書ではかなり抑制され、薄められていますが、伝えたいテーマに相応しい歴史上の人物の選び方には、相当に時間をかけた可能性が高いと思います。
コテンラジオの初期に取り上げていた、日本の偉人…吉田松陰、高杉晋作を巧妙に外し、世界史上の人物で処女作を飾ったのは、おそらく何らかの意図があったのだと思います。
人物評価や時代評価は、短期でするか、はたまた長期でするかで大きく変わるし、短期の長さ、長期の長さ、の尺度をどこにとるかで真逆の評価になる可能性も秘めています。今、自分のことを”輝かしい成功者”だとみなして、偉そうにしていても、”カネ”という根拠が剥がれた瞬間、”みすぼらしい下衆”という評価に成り下がることも大いにあり得ます。だからこそ、身の丈と精神状態は重要です。
息子が輝けるかどうかも…
今、私は息子が将来輝けるような人生を歩めるような布石を敷こうと頑張ってはいますが、それとて徒労に終わる可能性はゼロではありません。当の息子自身が私の整えている構想に逆ギレして、全てをぶち壊しにかかるかもしれません。
それでいいのでしょう。今日は、息子の電車旅企画に付き合って心底疲れました。今夜は泥のように眠ります。
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