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『集中講義 織田信長』を読む
本日は、小和田哲男『集中講義 織田信長』(新潮文庫2007)の読書感想文です。
今考える織田信長の功績
数多い戦国武将をランキングした場合、人気と実力を兼ね備えた武将のトップ3には確実に入るのが、尾張から天下統一に王手をかけていた、織田信長(天文3年5月12日-天正10年6月2日)だと思います。家臣の明智光秀に本能寺を攻められ、49歳で果てた信長のとしての資質は輝くばかりです。稀代の風雲児の一生と人物像を知るにつけ、保守気質の強い私にとっても憧れる存在です。
戦国時代研究の第一人者、小和田哲男教授(1944/2/1-)の著作の数々は、学生だった35年前から読んできましたが、本日取り上げる『集中講義 織田信長』は、本当に久しぶりの再読だったので、読み進めるのが楽し過ぎました。
信長の本質を17に纏めた珠玉の一冊
織田信長に影響を与えた人物として、父である織田信秀(1511-1552/3/27)を評価している点が素晴らしいです。実は、父の信秀もかなりの人物であり、尾張織田家を躍進させた立役者でした。信長は、父から『経済力によって立志する』という大戦略を学んだのだ、と小和田教授は喝破しています。
また、稀代のイノベーターとして信長を評価するのは勇足&早合点であり、信長が自ら考案した作戦や政策はほぼありません。信長以降に有名になる『楽市楽座』を考案したのは、信長ではなく、戦国大名・六角義賢(1521-1598)が治める観音寺城下と言われています(第一講)。
そんな目から鱗の講義が17コマ続きます。
数字の17は、私のラッキーナンバーの一つです。学生時代、ホッケー部で2年生の秋のリーグと3年生の春のリーグでつけた背番号が「17」でした。聖徳太子の「17条憲法」も有名だし、今をときめくスーパースター、大谷翔平選手が背負うのも「17」です。
久々に読んでワクワクしました。
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