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金曜日の随筆:『人生の経営戦略』を読む
また運命を動かしていく金曜日が巡って来ました。2024年のWK6、如月の壱です。昨夜は久々にアルコールを入れたことが響き、執筆途上で寝落ちしてしまい、記事を投稿できませんでした。これで、2月に入って早くも二度目の投稿飛ばしであり、大いに反省しています。金曜日ながら極寒の今夜は飲酒を諦め、少し早い時間から書き始めます。本日は、まだ読了していない、山口周氏『人生の経営戦略』(ダイヤモンド社2015)から拾った内容についての自由意見です。
資本主義のハッカー
著者の山口周氏は、著書が常に話題になる作家であり、同時に講演活動や経営コンサルタントとしても多彩な活躍をしている人です。いわゆるビジネス界隈の著名人でありながら、ゴリゴリのビジネス論客という印象は薄く、アート思考だったり、哲学的思考だったり、を織り交ぜた主張に割と好感を持っています。また、東京に生まれ、慶応義塾大学、電通、ボストン・コンサルティング・グループという、エリート街道を歩む傍ら、自分の腕一本で社会的地位を構築し、現在のマイペースでゆとりある生活を営んでいる姿に憧れの念を抱いています。
山口氏は、本書のおわりにで、
私は2020年に上梓した拙著『ビジネスの未来』において、昨今、風当たりの強くなっている資本主義を全否定するよりも、これをしたたかに利用して社会を変革する「資本主義というシステムのハッカー」という概念を提唱しました。
と書いています。自らも「資本主義のハッカー」の一人である、という自覚があるのかもしれません。2020年頃の私は、自ら選んだ無職、モラトリアムの人生を不安を抱えつつも、失業保険を貰いながら、金融資本主義や新自由主義への疑問を大いに募らせていた頃です。「資本主義のハッカー」は、私の処世術的にも、割としっくりくる概念です。ただ、山口氏と私が決定的に違うのは、資本主義という怪物への理解の深さです。そして、その考えを実践する腕力にも大きな違いがあります。
人生を経営する、という考え方
本書のその他の章については、まだ読み進められておらず、深い理解も得ていません。山口氏にとっての一番の関心は、「人生というプロジェクトをどう進めるか」ということのようです。深い洞察を行いながら、自分の心と相談しながら、用意周到に自分の身の置く場所、進むべき道を模索してきたのでしょう。そのノウハウを余すことなく、語っていると考えられます。
そこから連想したのが、英国人の著名な作家、サマセット・モーム(William Somerset Maugham, 1874/1/25-1965/12/16)が残した数々の言葉です。山口氏の人生観は、モームのそれと似ているような気がしています。
例えば、
〇 長い目で見れば、利口者や金持ちに生まれつくよりも、運の良い人間に生まれついた方がいい。
〇 真に重大な自由はただ一つです。それは経済的な自由なのです。
〇 新しい考えはおおかた新しい感動のせいなのだ。それは思慮によってではなく、情熱によって得られるものなのだ。
〇 人生とは切符を買って軌道の上を走る車に乗る人には分からないものである。
といったことばには、山口氏は共感を感じるのではないか、と想像するのですが、いかがなものでしょうか?
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