心理的安全性と社内コーチの役割について
こんにちは、まりしです。
社内コーチという形で、上場ベンチャー企業の一事業部にて2019年秋からコーチングをさせていただいています。
社内コーチとして関わる意味について、今回は心理的安全性を切り口に考えてみたいと思います。
そもそも、心理的安全性とは
ハーバード大学教授のエドモンドソンによると、「チームの心理的安全性とは、チームの中で対人関係におけるリスクをとっても大丈夫だ、というチームメンバーに共有される信念のこと」と定義されています。
言い換えれば、「メンバー同士が健全に意見を戦わせ、生産的でよい仕事をすることに力を注げるチーム」のこと。
※あやまった解釈
外交的である、アットホームで優しいチーム、結束したチーム、妥協する生ぬるいチーム、などなど...
心理的安全性は、あくまでもチームパフォーマンスの先行指標です。心理的安全性が担保されることで、チームの学習が促進され、その結果としてチームのパフォーマンスが向上すると言われています。
対人関係における4つのリスク
「心理的安全性のつくりかた」の著者、石井さんは、対人関係における4つのリスクを提唱されています。
対人関係におけるリスクとは、「無知」「無能」「邪魔」「否定的」の4つです。
・「無知」だと思われたくない→必要なことでも質問をせず、相談しない
・「無能」だと思われたくない→ミスを隠したり、意見を言わない
・「邪魔」だと思われたくない→助けを求めず、不十分な仕事でも妥協する
・「否定的」だと思われたくない→素直に意見を言わない
出典:『心理的安全性のつくりかた』石井遼介著
このようなリスクにおびえる心理的「非」安全性な職場では、いつの間にか必要なことでも行動しなくなってしまうのです。
心理的安全性をもたらすリーダーを育てる
では、心理的安全性を高める組織にするには、どうしたらよいのか。
筆者は、組織のメンバーが自分自身を「問題」の中に入れること、自分自身の行動を振り返り、それぞれが組織の心理的安全性をもたらすリーダーになることを推奨しています。
ここに、社内コーチが関わる意味があると感じます。
①自分自身を「問題」の中に入れること
自分を問題の外において、「相手に問題があって、それに私が困っている」と思っていると、なかなか問題が解決しません。
例えば、「あの人は、なかなか発言してくれない」と思うのではなく、「発言した後に適切な反応を取っていたか、発言を遮るような働きかけをしていなかったか」と自分自身に目を向ける必要があります。
コーチングでは、クライアントさんと一緒に、その問題・事象に対して異なる捉え方や視点を広げていくことがあります。固くなっている視点をほぐし、異なる眼鏡をかけてその事象をみることで、ご自身に対しても気づきが生まれていきます。
そのうえで、その事象を良い方向へと導くためにどんな方法があるのかを、自分事として探っていきます。
②自分自身の行動を振り返ること
相手に変わってほしいと期待し、相手の変化を待つのではなく、まずは自分自身の行動を振り返ることが大切だと言われています。
先ほどの例でいくと、会議で発言してもらうには、どんな働きかけが必要なのか?と自分自身の行動を振り返り、心理的安全性を高めるための行動のポイントを明確にしていきます。
コーチングでも、ご自身の中にある事柄として認識した後には、心理的安全性を高めていくための細かいアクションを設定していきます。そのアクションは、ちょっとしたコミュニケーションの工夫であることがほとんどです。
社内コーチが心理的安全性の高まりを加速させる
コーチが関わることで、社内で各々のメンバーさんが考えるよりも、より視点を変えやすくなったり、行動を振り返り、より良い社内コミュニケーションを取るためのアクションを設定することができます。
直接利害関係のない、コーチという存在だからこそ、この一連の動きを加速させていくことができるのではないかなと思っています。
これにより、心理的安全性が高まり、その結果として高いパフォーマンスを発揮するチームが出来るのではないかと考えています。
社内コーチについて、もう少し書きたいので、次回は心理的柔軟性と絡めたnoteを書こうと思います~。
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