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陸上養殖系のスタートアップ、丘サーモンで有名なFRDジャパンの現状・採算性について【水産専攻スタートアップ起業家が考察】
はじめまして。株式会社Seretanのせどと申します。East Venturesにweb3事業で投資され、JPYC社へのweb3×ブルーエコノミー事業の支援を行いつつ、水産系スタートアップを考察するメディアを運営しています。web3系では珍しく、東海大学の海洋生物科学科を卒業しています。そんな私が、大型スタートアップであるFRDジャパンについて考察してみようと思います。
前置き
日本では漁業生産額が年々減っています。特に遠洋漁業といった漁船を利用した漁業の生産量は減少傾向にあります。
一方で、海面養殖業は技術の普及・発展に伴い魚類の生産量が安定的になっております。1994年にピークの134万トンとなった後、緩やかな減少傾向がありますが、近年は新たに養殖業に参入する企業も増えており、上昇する可能性が考えられます。その内の一つである会社に関して考察しています。
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株式会社FRDジャパン
2013年に創業した会社で、閉鎖循環式陸上養殖システムの開発をメインに行っている企業。
従業員数は少なくとも17人以上と想定されます。
2023年の7月には2第三者割当増資で210億円を調達したほか、複数の金融機関との間で融資契約を締結した実績があります。
【ここに調達のプレスリリースか日経の記事を貼る】
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC207770Q3A720C2000000/
有名なのはおかそだちサーモンで、その強みは以下の2点です。
❶「おかそだち」が養殖されているのは千葉県木更津市で、年中東京に美味しい生サーモンが提供出来るということです。
日本国内でのサーモンの人気は高まっている。家計調査によると、近年、生鮮魚介類別の1人当たり購入量で第1位はサケ類となっています
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また、株式会社オレンジページが実施したアンケート調査によると、「サーモンが好きかどうか」のアンケートでは特に20代から30代の層で「大好き」と答える人が多くなっており、これからも売れ続ける魚であると考えられます。
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❷ 閉鎖循環式陸上養殖システムで、海や川に汚水を排水しないため、環境に優しいサスティナブルなものになっています。
SDGsの17の目標である、海の豊かさを守ろうに該当すると考えられます。
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また、閉鎖式であるため赤潮の影響を受けること無く安定的に供給することが出来ると考える。2016年、チリでは大規模な赤潮の発生によって養殖場で約2300万匹ものサケが窒息死し、約1000億円の損害が生じたこともありました。(https://www.jica.go.jp/Resource/publication/mundi/1711/201711_04.html)
チリの赤潮は2021年にも発生しており、このような災害はこれからも起こる可能性があると思います。
サーモンの海面および陸上養殖にかかる費用としては、施設建設の初期費用として157億円もの大金がかかるため、参入障壁はかなり高くなっています。そのため、資金調達などは必須になってきます。
(https://www.minato-yamaguchi.co.jp/minato/e-minato/articles/108901)
ただ、気象変動などによって既存の養殖が出来なくなった時にサーモンの価格が上がってから本格に儲かり始めると考えられます。
近年では大量の輸入によって平均価格は昔から減少傾向にありました。
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ただ、近年は円安や原油高の影響で価格は高騰しています。
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また、世界で見てもサケマス類の養殖生産量は増えており、30年でおよそ10倍の348万tまで増加しました。そのため、海外でも事業を展開可能なためかなり、大きな需要があるといえます。
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スタートアップよりかは、研究開発や設備に多く投資をするために多くの調達をして、将来的に儲かる会社だと思うので、いわゆるユニコーンやデカコーンになる可能性があるので個人的にも応援してます。