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飲み屋にて。若い2人
[エッセイ×小説]
実話を物語仕立てで
若い頃の私はとにかく"若い男の子"が苦手でした。
大人は平気なんです。仕事でたくさん関わっていたし、なんと言っても安心感がありましたから。
それでも若い男の子と関わらなくてはいけないシーンがあると、自分が苦手なのをバレたくなかったからか、必要以上に冷たく対応してしいまっていた数々の思い出があります。ごめんなさい。
それを元に、
ある夜のとってもくだらな
MIZUKI エピローグ「ある安上がりのバーで」前編・後編
※こちらは「MIZUKI 二十面相の女」のエピローグです。→
安上がりのバーである初老の紳士と女の子 前編
入り口の扉が開き、黒いドレスにコートを羽織った若い女の子が入ってきた。
少しよそよそしい表情でカウンター席に座った女の子は、髪の毛をくしゃくしゃとかき上げた手を首の辺りに移動させたままどこかを見つめている。
つづいて、賑やかな声と共にバーには4人組のグループが入ってきたので、
ある片想いの話(男性の視点)
ある日僕と彼女は喫茶店へいた。
僕は会っていなかった七日間分の思いを込めて、緊張しながら
「一週間ぶりだね」
と彼女へ言ったら
「あら、そうだった?」
と彼女はメニューのページをパラパラとめくっていた。
彼女はいつも少し僕の心を傷つけるのが得意なんだ。
彼女と僕は近くのミニシアターで最近話題の映画について話した。彼女が楽しそうに話しているのを、僕はとっくに飲み干したアイスコーヒーのストローを何度も
ある男性の話(女性の視点)
私はある男性と喫茶店へいた。
彼は私に「一週間ぶりだね」と言ったので
「あら、そうだった?」と返した。
私たちはいつの間にか一週間置きに会うほどの仲なっていたようで、少し驚いた。
私たちは近くのミニシアターで最近話題の映画について話した。意外にも彼があのマイナー映画を知っていたので、少しテンションが上がって話しすぎてしまったかもしれない。
気がつけば彼のアイスコーヒーは空になっていた。
私ばっ
不確かな夏の記憶 中
月曜日になると、彼女の行きつけの無料のギャラリーで絵を見ながら、僕たちは作品に対して評価したり皮肉を言ったりしていた。
すると彼女は突然
「私本当はね、絵描きになりたかったの。」
と言いいだした。
「僕も絵描きみたいな人生には憧れるな」
「あなたも?どうして?」
「絵描きには世の中の常識とかはきっと関係ないからさ。自由気ままに生きて、たまにスキャンダルなんか起こしても時間が経てばまた先生とか言われ
飲み屋にて。後腐れない場所
今日も彼女がいた。
最近この飲み屋に来ると2回に1回は彼女がいる。20歳くらいの女の子でいつもカウンターの1番テレビに近いところに座ってる。
「ママ、焼酎」
「はい焼酎ね」
俺は彼女から2個開けた席に腰掛けた。
「おじさんいつもこの時間なのね。職場が近いの?」
「いや、職場も家も近くないよ。」
「じゃあ、ここが好きなのね。」
「そうだな、それもあるけど誰にも会いたくないからってのもあるな。」