能登の瓦はなぜ黒くてぽってりしているのか
そもそも瓦は赤かった 京都の大学に通っていた。帰省のときにサンダーバードの車窓から景色を楽しむことが好きだった。京都から福井あたりの、小ぶりで薄くて灰色のカサカサした瓦の家を見るたび、今にも屋根が飛んでいってしまいそうな感じがして、もぞもぞした気持ちになっていた。私の知っている瓦は、大きくて黒くてつやつやして、ぽってりとまるっこくて。その瓦がのった屋根はずっしりとしていて、家が吹き飛ばないように重石になっているような印象があった。能登に限らず、金沢から富山にかけて、こんな瓦の