母の遺言は「宇宙へ行く」こと:2021年9月12日(宇宙の日)
77歳になった母の夢は宇宙に行くことで、遺言書にも「宇宙へ行くこと」が書いてあるそうだ。
御年77歳の母が今から宇宙飛行士なんて目指せるわけはないし、うちはホリエモンや前澤社長のようにお金があるわけではない。
しかしながら、「宇宙に行くためにお金は貯めてある」、と言う母。
よくよく話を聞いてみると、「宇宙葬」にしてくれということだった。
「宇宙葬」は故人の遺灰をロケットに乗せて宇宙空間へ散骨してくれるサービスだ。
母曰く「お墓参りも空を見上げればいいから、楽でしょ?それに、お母さんは冷たい土の中にいるなんて嫌だよ」とのことだった。
9月12日は宇宙の日。1992年に毛利衛さんがスペースシャトル「エンデバー号」に乗り、日本人初の宇宙飛行士として宇宙に旅立った。
当時は私も小学生で、連日テレビのニュースになっていたことを薄っすらと覚えている。
厳しい試験や訓練をクリアした宇宙飛行士が宇宙に行くイメージがあったけれど、近年では民間での宇宙旅行も実現している。
今年7月にはアメリカAmazonの創業者であるジェフ・ベゾスさんが短時間の宇宙旅行に成功したとニュースになった。
現在の宇宙旅行チケットは1人2,800万円とかなり高額。
まだまだ宇宙は一般人からは遠い存在だ。
一般人でも宇宙への夢が見られるのが「宇宙葬」で価格は30万円前後から実現ができる。
「宇宙葬」が始まったのは1997年、24名分の遺骨カプセルを搭載したペガサス型ロケットが地球の公転軌道に達し、軌道上を周回することに成功した。
今では「宇宙葬」にも色々プランがあって、遺灰を納めた人工衛星が宇宙空間に到達すると、最長で240年間にわたって軌道上を周回する人工衛星プランなどもあるそうだ。
ロケットでの打ち上げを必要とする人工衛星タイプはアメリカらからの打ち上げになるから、母はアメリカにも行くことになる。
家を守りながら、滅多に遠方への旅行にも出かけなかった母へ、最期に「宇宙(アメリカ)旅行」をプレゼントができるかもしれない。
「死」は悲しいし、恐ろしいことだ。
語弊がある言い方になってしまうかもしれないけれど、死後は「宇宙旅行ができる」という楽しみはあってもいいかもしれない。