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海外で日本のアニメを見る光景:2021年10月22日(アニメの日)
4年前のフィリピンでの出来事、通っていた語学学校の近くに住む子どもたちが道路で遊んでいた時のことだ。
子どもたちの一人が
「らーせーーんがーーん」
と言ってボールを他の子どもに投げつけている光景を目にした。
子どもがよくやっている「ごっこ遊び」、日本の漫画でアニメ化された「NARUTO」の主人公の必殺技。
フィリピンの子どもたちは「NARUTOごっこ」をして遊んでいたのだ。
次の日に語学学校のリザ先生にその話をすると、リザ先生はおもむろに手をピストルのような形にして、
「れいがーーん」
と、こちらもアニメ「幽遊白書」の主人公である浦飯幽介の必殺技の真似をはじめた。
私が「そうそう、知ってる『Yu-Yu Hakusho』でしょ?」と言うと、リザ先生は違うと言って、どうやらフィリピンでは「幽遊白書」はタイトルが変更されて「Ghost Fighter」と言われているようだった。
リザ先生は子どもの頃から日本のアニメが大好きで、特に「烈火の炎」の大ファン。アニメのオープニングテーマである「なんか幸せ」を日本語で楽しそうに歌い始めた。
フィリピンの人は歌がうまいのと、歌の歌詞の「なぁ〜んか、しあわせっ!」を本当に幸せそうに歌うので思わず聞きほれてしまった。
今のフィリピンの子どもたちも、ドラえもんやドラゴンボール、NARUTO、ONE PIECEなど日本のアニメをもちろん見ているそうだ。
日本のアニメが海外でも人気なのは知っていたけれど、フィリピンの地方都市まで普及しているというのには驚きだったし、子どもの頃に好きだったものが共通しているということになんだか嬉しくなった。
(まぁ、彼らが見ているのはいわゆる違法にアップロードされたものなのだけど)
10月22日はアニメの日。日本最初のカラー長編アニメーション映画「白蛇伝」が1958年に放送されたことを記念して、一般社団法人・日本動画協会「アニメNEXT100」によって制定された。
私自身もアニメは大好きだ。
大人になった今もマレーシアからAmazonPrimeで視聴している。
今は「ジョジョの奇妙な冒険 第5部」を観ているのだけど、すっかりはまってしまった。
ジョジョの奇妙な冒険シリーズも海外で人気の作品だ。
日本のアニメは種類が豊富なのが特徴で、歴史もの、恋愛もの、探偵、冒険、正義の味方、料理、動物など自分に合ったものを探して観ることができるし、ストーリー展開も様々。
必ずしも一般的なハッピーエンドではないこともある。
これも宗教による制限、情報の統制などがほとんど意識されない日本だからこそ、アニメは「ジャパニメーション」と言われるまで発展したのだろう。
マレーシアでも最近近所のスーパーで「南葛」と大きな字でプリントされたTシャツを着ているマレーシア人の男性(おじさん)を見かけた。
「南葛」はサッカー漫画・アニメの金字塔である「キャプテン翼」の舞台となった架空の都市である静岡県南葛市のことで、主人公の大空翼は南葛SCというチームで全国優勝を果たしている。
「キャプテン翼」も多くの世界的なサッカープレイヤーに影響を与えた作品だ。
マレーシア人のおじさんが「ボールは友達!」と言っているかはどうか分からないけれど、異国の地で日本のアニメを目にすると、懐かしくなんだかちょっと嬉しい気持ちにもなる。