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マレーシアで靴を片っぽ盗まれる:2021年10月7日(盗難防止の日)

3か月前のこと、家の玄関ポーチのシューズラックに置いていたスニーカーが盗まれた。

しかも、右足片っぽだけ。

しかも、一番安い靴。

盗まれたのは日本円で1200円くらいで買った黒いスニーカーだった。

シューズラックにはパンプスや日本に帰ったときにReebokで買った1万円くらいのお気に入りのスニーカーも置いていたのに、なぜか一番安い、スニーカーが片っぽだけ盗まれたのだ。


逆に怖い。

金銭目的なら全部盗むだろうし、転売もできない右足だけのスニーカーを盗んで何に使うんだろう。

その時はさすがに怖くなって、Googleで「スニーカー 片足 盗まれる 儀式」、「スニーカー 片足 盗まれる 意味」とか検索をしてしまった。

全部盗まれれば「あーあ、泥棒に入られたから気を付けなきゃ」って純粋に注意しようと思えたのだけど、右足片方だけを盗まれたことで逆に変な恐怖と緊張を感じてしまったのだ。


会社の同僚に、スニーカーの右足片っぽだけが盗まれたこと話すと、

「それは、犯人はMarikoさんの靴を家に飾ってるよ」

 と笑いながらふざけて言われて、またさらに怖くなってしまった。


10月7日は盗難防止の日。「10(トー)7(ナン)」の語呂合わせから、自動車盗難や住居侵入による盗難に歯止めをかけるため、2003年に日本損害保険協会が制定したそうだ。

今住んでいるコンドミニアムの入り口には、セキュリティのガードが24時間いるし、エレベーターもカードキーがないと上り下りできない。監視カメラももちろんある。

スニーカーの右足だけを盗まれてから、シューズラックは家の中に置くことにした。戸締りも「20階以上だから誰も入ってこれないだろう」と思っていて締めなかった窓の鍵も締めるようになった。

今日の盗難防止の日、3か月間にスニーカーが片方盗まれたことを思い出しながら、あの右足片っぽのスニーカーはどこに行ったのだろう? と、いまだに謎は解けない。

本当にお金に困った泥棒だったら靴を全部盗っていくだろう。
今回、靴を盗んだ犯人は同じ階に住んでいるか、訪ねてきた誰かが酔っ払っていたずらをしたのかもしれない。もしくは、いつも廊下で遊んでいる子供たちがいるので、ふざけて盗ったのかもしれない。

ただ、一番安いスニーカーが片っぽだけ盗まれるという不可解な出来事によって、私は改めて盗難防止に対する意識を持てるようになった。
それからは、特に何もなく、今日まで毎日が平和だ。

右足片っぽだけのスニーカーが盗まれたことは、

きっと誰かが(神様かもしれない)、

「お前、危ないぞ!気を付けろ、気を付けていれば大丈夫だ」

って信号を送ってくれたのかもしれない、と思うことにする。

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