見出し画像

【読書】結末が、ややナレーションベース~『創竜伝15<旅立つ日まで>』(田中芳樹)~

ついに「創竜伝」シリーズの最終巻に到達しました。

↑kindle版


いよいよ怒涛の展開かと思いきや、前半は意外と動きがありません。「安っぽいR・P・Gではあるまいし、もうちょっと演出法を考えたら?」という終の台詞が、ある意味当てはまります。


後半になり、さすがに話が動き出しますが、敵キャラとの決着があれで良いんでしょうか。ボスキャラである「牛ちゃん」との対決も、「宇宙大将軍にして大和国主」である小早川奈津子との対決も、意外な結末を迎えることになってしまいます。……いや、小早川奈津子との対決の結末は、考えようによっては想定の範囲内とも言えますが。ともあれ、「牛ちゃん」以外に、思いがけないラスボスがいたのは意外な展開。


第九章と最終章に至っては、ちょっとナレーションベースの感がありました。様々な登場人物たちが一気に登場し、彼ら彼女たちの今後が暗示された上、これまで名前だけ出てきたキャラクターも突然登場し、何だかドラマの最終回のようでした。


1つ面白かったのは、三千世界の意味が示されたこと。10億もの異世界があるなら、5巻や11巻のような世界も存在することになります。つまり別の世界の話と思えば良いわけです。


なにはともあれこれで、30年以上に渡る物語も完結しました。作中世界では約8ヶ月というのが、信じられない話ですが。


見出し画像は、横浜中華街で撮った「春節燈花」です。


↑新書版



いいなと思ったら応援しよう!

margrete@高校世界史教員
記事の内容が、お役に立てれば幸いです。頂いたサポートは、記事を書くための書籍の購入代や映画のチケット代などの軍資金として、ありがたく使わせていただきます。

この記事が参加している募集