【読書】また一人、育て上げた~『馬廻役仁義 三河雑兵心得(拾)』(井原忠政)~
前巻で生死不明となった茂兵衛、やはり生きていました。まぁ続きがある以上、これ以降の巻が幽霊の視点で語られるのではない限り、生きているのだとは思っていましたが。
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正直今巻は、読みにくかったです。生還した茂兵衛が、あまり向いていない役割をあてがわれ、冴えない気持ちで過ごす巻なので。合戦のシーンが続くのが良いわけではありませんが、少なくともスピード感はありますしね。
なお前巻読了後、図書館で予約した今巻が届くのに、いささか時間がかかったため、その間に「どうする家康」の方では、どんどん話が進んでしまいました。その結果、またもや大河では放映済みのエピソードを、こちらで読む形になっています。でもかえって、大河で観た部分を復習する感じで、良いかも。まして最近の大河はほぼナレーションベースで、どんどん話が進んでいるので、「三河雑兵心得」シリーズを読むと、理解が深まります。
もちろん、大河とは解釈が違う部分もあります。例えば、石川数正の裏切りの理由。個人的には、「三河雑兵心得」シリーズの解釈の方が、腑に落ちます。
あと本多正信が急に家康の側近になった経緯も、大河より、こちらの方の説明の方が納得がいきます。
以下、印象に残った部分。
なるほど。
マインドフルネスですね。しかし茂兵衛、相変わらず抹香臭いです。
そして茂兵衛、相変わらずの人たらしぶりで、またもやこの時代の有名人の一人から、仕官の誘いを受けます。すごいなぁ。
こうやって整理してもらうと、よく分かります。それこそナレーションベースの大河を見ていると、いつの間に関白に?と思ってしまうので。
阿呆の花井くんの成長ぶりには、感動。自ら、自分に向いた役目を探し出すとは……。茂兵衛、また一人育て上げましたね。
虎皮だけではなく、豹皮も日本に入ってきていたとは。ウィキペディアさんの情報によれば、豹の生息域は「アフリカ大陸からアラビア半島・東南アジア・ロシア極東にかけて」で、「ネコ科の構成種では、最も広域に分布する」そうですから、かえって虎より手に入りやすい可能性もありますが。
虎皮・豹皮の用途の広さにも驚きました。
納得のいく支配なら、支配される側も従うということですね。
以逸待労という四字熟語は、初耳でした。
子どもの顔立ちを意味する、子柄という言葉も。
豊臣秀吉になったのは、このタイミングでしたか。秀吉が権力を握ってからの展開は、史実の上でも、ある意味ナレーションベースのように、どんどん進むのですね。大河がナレーションベースなのも、ある意味では仕方がないのかも。
大河ではバタバタと語られていったこの後の展開ですが、茂兵衛の視点では、どのように語られるのでしょうか。
見出し画像は、秀吉の銅像です。
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