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環境に合わせて生きる~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.440 2022.10.1)~

「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第43弾です。

そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。


今号の特集は、「”あなた”と生態系をつなぐ”うんち”」です。


人口が増え、都市化が進んだ今、ヒトのうんちだけが生態系から外れ、自分のうんちとのつきあいさえ、ほとんどなくなった。

p.11

現在読んでいる最中の『人新生の「資本論」』にも、同じような指摘がありました。

資本主義が発展して、都市と農村のあいだで分業が進むと、農村で収穫された穀物は、都市の労働者向けに販売されるようになっていく。そうすると、都市で消費される穀物に吸収された土壌養分は、もはや元の土壌に戻ってくることがない。都市の労働者たちが摂取し、消化した後は水洗トイレで河川に流されてしまうからだ。

『人新生の「資本論」』(斎藤幸平)p.44~45

自然界の動物のうんちは、場合によっては他の動物の食べ物になったりもして、きちんと循環していることを思うと、ヒトのうんちも何か衛生的な方法で循環の輪に戻せないものかと思ってしまいます。


しかし稚語といえる「うんち」がこんなに連発された文章を読んだのは、初めてかもしれない(^-^;


スペシャルインタビューのスティーブン・キングには、意外と普通のおじさん(おじいさん)なんだなと思いました。キング作品は『シャイニング』くらいしか読んだことはないのですが、何か独特の世界を持っていて、彼の頭の中には近づけないように思っていたので。あぁ、でも考えてみれば『シャイニング』も、最終的には人間の持つ良心とか愛とかを信じた作品とも言えますね。


「浜矩子の新ストリートエコノミクス」ではエリザベス女王がとりあげられていましたが、以下の言葉には同感。

逝く前に、ウラジーミル・プーチンを成敗しておいてほしかった。国葬が終わって一息ついたら、天国から鉄槌を下していただいてもいい。

p.16


映画『暴力をめぐる対話』の中で描かれた、「フランスの『黄色いベスト運動』の最中に繰り広げられていた、警察によるデモ隊への暴力」の実態には慄然としました。「18年11月~20年5月までの間に『2名が死亡、5つの手が失われ、27個の目が潰された」そうです。先進国で行われたこととは思えません。

監督のダヴィッド・デュフレーヌの言葉が、本質をついています。

以前に比べ、民主主義が寛容さを失ってきていると感じます。デジタルテクノロジーは、国家と個人間の「情報の非対称性」を解消しましたが、同時に国家による市民監視も強まりました。

p.19

寛容さがやはり、これからの時代のキーワードなのでしょう。


粘土で虫をモチーフにした作品を作っている奥村巴菜さんのインタビューで語られた以下の言葉も、印象的でした。

人間は自分の都合で環境を変えようとしますが、昆虫は環境に自分たちを合わせて生きています。そういう生き方は逆に強くて、きちんと未来を見据えている――。

p.23


「マイ・オピニオン」にあった環境活動家の橋川篤子さんの言葉には、背筋を正される思いでした。

物を買うことは、その店を評価し、投票することと思っている。(中略)使った物の行方にまで責任を持てるようになれば、世の中も変わると思う。

p.26

レジ袋が有料化されてから、かえってレジ係さんが個々の商品を薄いビニール袋に入れてくれることが増えた気がします。マイバッグを使い、レジ袋自体は断っているのに、結局持ち帰るビニールの量は減っていない気がして、モヤモヤしていました。もちろん断れるものは断っていますが、もっと断る機会を増やさねばと思いました。


「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。


コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。


もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。


見出し画像は、今号が入っていた封筒に貼られていたシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった方、いつもありがとうございます!



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margrete@高校世界史教員
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