アマゾンのPrime Readingを利用して読んだ、4冊目にあたります。初めてPrime Readingで読んだ『世界史を大きく動かした植物』が、なかなか面白かったので、同じ著者のものを読んでみたわけです。
↑kindle版
『世界史を大きく動かした植物』同様、へーと思うことが多く書かれており、なかなか面白かったです。一点だけ謎だったのは、主な読者の層をどこに設定しているのかということ。小学生くらいの子ども向けに語りかけている部分もあるかと思いきや、サラリーマンが読むことを想定していると思われる部分もあったりして。まぁ、面白かったから良いのですが。
以下、印象に残ったところを備忘録代わりにまとめておきます。なお、ページ数はkindle版のものです。
ゲーテの主張は170年経って、分子生物学によって証明されたそうです。
蒸散の力、すごいです。
確かに「菜の葉にとまれ」ですよね。作詞者の野村秋足の観察力の高さにびっくり。
なるほど。植物が動物に勝ったわけですね。
リンゴの実は、花の付け根の花托と呼ばれる部分が、種を守る子房を包み込むように肥大してできた擬果、イチゴはつぶつぶが本当は「実」で、実だと思っている部分は、リンゴ同様に花托だそうです。
この雑草の合理性、何となく哲学的です。
タンポポの見分け方
:西洋タンポポは花の下の総苞片が反り返っていて、日本タンポポは総苞片が密着している。西洋タンポポは一年中花を咲かせ、他の植物が生えないような都会の道ばたで花を咲かせて、分布を広げている。日本タンポポは群生して咲き、春にしか咲かない。夏は他の植物との戦いを避け、根だけになって地面の下でやり過ごす。(p.50~52のまとめ)
ようやくタンポポの見分け方が、はっきり分かりました。
60ページ以降の、木の葉を生産工場に例えた説明が、すごく分かりやすかったです。
ここで「リストラ」と言っているのは、落葉樹が葉を切り捨てるために、「葉の付け根に『離層』という水分や栄養分を通さない層を作」ることを刺指します。 この秋の紅葉は、涙なくして見られないかもしれません。
トリケラトプスも勝てなかったアルカロイド!
リストラという新たな手段に訴えず、葉からの水分の蒸発を防ぐ工夫を身につけた常緑樹さん、好感が持てます。葉を補足して針葉樹になったり、葉の表面をワックスの層で覆う常緑広葉樹になったりしたわけです。しかも針葉樹は、被子植物より古い裸子植物で、凍結に強かったことが幸いし、落葉広葉樹よりも寒い地でも生きられるようになったわけで、老舗の底力を感じます。
ふむふむ。
そうだったのか!
『世界史を大きく動かした植物』には、ヨーロッパでジャガイモが裁判にかけられた話が載っていましたが、裁判をしている本人たちは真剣でも、端から見ると滑稽です。
果実的野菜って……。これはこれで、滑稽かも。
拍子抜けの結論であると同時に、これも何だか哲学的です。
ほほう。ただしこの後出てくる理由により、点々は上の方まで全部書いてはいけません。
双子葉植物より単子葉植物の方が、進化した植物であることの説明です。
時代が変わると、意味するものも変わるのですね。
このあたり、いつも混乱するので書いておきますが、また忘れそうです。
栽培植物と人類のウィンウィンな関係ですね。
ダイコンの上の部分と下の部分で、そもそも部位が違うから、味が違うわけですね。加えて、ダイコンの絵を描く時は、上の方まで全部点々を書いてはいけないというのが分かりました。
この記述に「今はないの!?」と驚いたのですが、調べたら、少なくとも家庭菜園用の種は売っています。でも店頭では最近、種なしスイカって見た記憶がないかもしれない。
でもゲノムが3つの三倍体だから種子を作れないからこそ、その分の栄養分を実に回すことができるし(ネットでも種なしの方が甘いという記述が見つかりました)、そもそも種がない方が食べやすいのに、なぜ種なしの方が主流じゃないのかなぁ。人間に都合の良い性質を持ったF1品種の作物ばやりの昨今なのに。病気に弱いなどの弱点があるのでしょうか。
ネコジャラシ(エノコログサ)やトウモロコシ、サボテンの持つ光合成能力の高さにも、びっくりしました。
面白かったので、稲垣さんの本を、更に読みたくなりました。
見出し画像は、菜の花畑です。
↑文庫版