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【読書】実用的な銀食器~『創竜伝12<竜王風雲録>』(田中芳樹)~
今巻は本編の一部ではあるのですが、9巻のラストの続きにあたる、宋の初期を舞台にした話です。時空のはざまに落ちた青竜王を、白竜王が探しにいく話。途中から、紅竜王と黒竜王も合流します。
↑kindle版
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↑私が読んだのは、この新書版なのですが、2021年12月27日現在アマゾンでは扱っておりません。
読んで驚いたのは、見事に内容を忘れていること。買った時に一度読んだきりで、読み返さなかったのかもしれません。数少ない覚えているところは、『アラビアン=ナイト(千夜一夜物語)』の一節である「アラジンと魔法のランプ」の話の舞台が中国であることと、「りっぱな葬式を出すというのは、中国では最高の厚意のあらわれ」ということ。どちらも話の内容というより、知識ですが。しかも私、アラジンは中国人だと間違って記憶していたのですが、中国の街(どうやら泉州と思われる)に住むアラブ人でした(^-^;
印象に残った部分。
「うふふ……」と笑う紅竜王。うーん……。
宋代、一流の料理屋は銀の食器を使っていたこと。
銀の食器は落としても割れないし、錆びたり腐ったりすることもない。また銀は毒や腐敗物に反応して変色するので、銀の食器を使っていると、「うちの料理は安全ですよ」という証明になる。店が火事になったりすると、銀の食器は熔けたり変形したりするが、そうなったものはまとめて熔かしてつくりなおせばすむ。戦争がおきて避難するときには、つぶして平らにしたものをかさねて運び、安全な場所でつくりなおせばよい。もともと銀だから、そのまま貨幣がわりに使うこともでき、財産としての価値もある。さまざまな意味で、銀器は「割れたらそれでおしまい」の陶器よりずっと実用的なのだ。
確かにあらゆる意味で実用的ですね。
今巻の最後で現代日本の話に戻り、いよいよ次巻から本当に本編に戻ります。
見出し画像は、ビャンビャン麵です。白竜王が早食いしたものとはちょっと違うかと思いますが、「中国のうどん」ではあるので。
ちなみにビャンビャン麵については、ブログの記事をご覧ください。
↑kindle版
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