【読書】今、言っておかなければ~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.481 2024.6.15)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事、第84弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は、「まちに座る」です。
日本各地の、まちの中に座って休める場所としての椅子やベンチを置く取り組みをしている人たちの記事で、興味深く読みました。418号では、「自分で椅子を運んで好きな場所に座って時を過ごす」(p.12)チェアリングが紹介されていましたが、今号で紹介されているのは、「ご自由にお座りください」と、時には私有地を提供してまで、座る場所を用意してくれる試みです。
「意地悪ベンチ」への笹尾和弘さんの考察には、考えさせられました。
解決の糸口はというと。
特集以外では、まず「私の分岐点」の山口香さんの言葉が印象的でした。ご自身がトップアスリートであったにもかかわらず、「以前からトップスポーツ・トップアスリートだけは特別という価値観が根強く、そのことに疑問もあった」(p.3)と率直に語る山口さんの言葉は新鮮でした。
山口さんは、非常にまっとうな感覚を持っておいでだと思います。日本の選手の活躍だけを、絶叫調で紹介するアナウンサーや解説者、芸能人ゲスト、誰よりもそのような番組を観る視聴者に届けたい言葉です。
有機フッ素化合物PFOAの工場のない岡山県吉備中央町の水道水から、高濃度のPFOAが検出されたという記事は、衝撃的でした。
なぜ吉備中央町の水道水から検出されたのか、とても気になります。
ALPS処理汚染水の海洋放出差し止め訴訟の原告である、相馬の漁民の小野春雄さんの言葉も心に残りました。
ちなみに小野さんが生まれ育った釣師浜(つるしはま)地区では、「子どもが生まれた翌朝、父親は『水垢離』といって、海に入って身体を清め、子どもが健康に育つよう祈る」( p.20)風習があるそうです。
↑ビッグイシューオンラインでの記事です。
今号も、学びが多かったです。
「ビッグイシュー日本版」のバックナンバーは、街角の販売者さんが号によってはお持ちですし、サイトからは3冊以上であれば送付販売していただけます。
コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
もちろん年間での定期購読も可能です。我が家はこの方法で応援させていただいています。
見出し画像は、今号が入っていた封筒のシールです。「小商い」で発送作業をしてくださった方、いつもありがとうございます! しかし『ビッグイシュー日本版』の累計販売冊数が2024年5月に1000万冊を超えたとは。その分、路上生活者の方々の生活再建に役立ったのだなと思うと共に、まだまだ路上で暮らす方々がいる現状に思いを馳せます。