ものすごく読みやすい文章ですが、内容は暗澹とするようなものです。
↑kindle版
この本は2018年に発売されたものなので、内容的にすでにちょっと古くなっています。しかし読む価値がないということは全くなく、むしろ今のうちに読んでおいた方が良い内容です。ソーシャルメディアを筆頭とするデジタル情報がビッグデータとして集められ、私たちの行動を左右するために使われていることの問題点を指摘しています。
備忘録代わりに、気になった部分を書いておきます。
これ、本当!? いや、本当なんでしょうね。ネットショッピング全般で、多分同じことが行われているのでしょう。
なるほど、必ずしも自分に票を入れさせる必要はないのか……って、感心している場合ではありません。
言うまでもなくというか、その最前線にいるのはロシアなわけです。ロシアが行っている、サイバー戦争を含めたハイブリッド戦争については、以下の記事をご覧ください。
2016年のイギリスのEU離脱をめぐる国民投票とアメリカ大統領選挙だけではなく、2017年のスペインからの離脱を問うカタルーニャの住民投票の影にもロシアがいたとは知りませんでした。もちろんこの本を信じるのであればだし、一歩間違うと「何でもロシアのせい」になりかねませんが、事実なんでしょうね。
うーむ。
「ナチス党は好んで国民投票を行い、情報統制のもと、あたかもすべての国民の支持のもとにナチス政権があるがごとき印象を与えた」からこそ、今のドイツ基本法には国民投票の仕組みがないわけです。
もはや身を守るためには、SNSをはじめ、ネットの利用時間を、せめて自分で制限するしかないですね。スマホ脳にならないためにも。
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