【読書】不条理さに満ちた絵本~『優雅に叱責する自転車』(エドワード・ゴーリー著、柴田元幸訳)~
柴田元幸さんの訳であること、そしてスタイリッシュなような不条理なような表紙に惹かれ、手にしました。
『優雅に叱責する自転車』という題名からして奇妙ですが、この自転車が登場人物2人を叱責しているシーンはありません。でも無言で2人と旅をすることを通じ、2人の行いを叱責しているのかもしれない、とも思えます。
原文と日本語訳を見開きで見ることができるので、英語の勉強にもなるかな。もっとも、簡単な英語ながら不条理さを含んでいるので、やはり柴田さんの日本語訳抜きでは無理ですが。
「嵐が去ると、エンブリーの14足の黄色い靴がなくなっていて」には、「いつどこで14足の靴が出てきたの?」と驚きましたが、よく見たら表紙と裏表紙に14足の黄色い靴の絵が。でも物語自体には、上記の「なくなっていて」のシーンしか出てこないという。
結末も、何とも不思議というか、ちょっと背筋が寒くなる感じです。機会があれば、またエドワード・ゴーリーの絵本を手にしてみたいです。
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