【読書】お寿ずさんなら……~『おやごころ まんまことシリーズ9』(畠中恵)~
畠中恵の「まんまこと」シリーズ第9弾です。
↑kindle版
持ち込まれる厄介ごとを麻之助が片付けていくのが、シリーズのテーマとはいえ、何だかシリーズを追うごとに、勝手なことを言う登場人物が出てくることが増えており、そこはうんざりします。特に「たのまれごと」のお駒は最悪。友人の夫に、どのタイミングで入荷するか分からないレアな袋物をお願いするなんて、ありえません。「久方ぶりに前々からのお友達に会って、頼み事をされたんで、嬉しかったんです」(p.57)とお和歌は言っていましたが、お和歌さん、そんな人は友人ではありません。人を利用しているだけです。
そして今回、私の中で評価が下がったのが、そのお和歌さん。「こころのこり」での出しゃばりは、それが事件の解決につながったとはいえ、ちょっと嫌な感じ。亡くなったお寿ずさんなら、そんな真似はしなかったか、もう少しうまくやった気がする……なんて言うと、小姑のようですが。
加えて「よめごりょう」でも、ある意味お和歌さんが、騒動の1つを引き起こしたきっかけでした。まぁそもそものきっかけは麻之助とも言えますが、お和歌さんはちょっと浮ついているような気が。
絵のお師匠さんのこの言葉、畠中さん自身の実感でもあるのでしょうね。
教員として、日々実感することです。だから、教室で一番勉強しているのは教員なのです。まして複数のクラスで同じことを何度も話せば、なおのこと。
そういう区別があるのですね。
なるほど、与力とは別に、内与力というのがいるのですね。
笠にも違いがあるとは知りませんでした。
今回、どうしても気になったのが、「終わったこと」の終わり方が唐突だったこと。あと1ページあれば、すっきり終わる気がするのに。連載の際のページ数の関係で、中途半端にぶっちぎったのかと思うほどですが、それなら書籍にした際に書き足せば良いわけで、もちろん畠中さん的にはあれで良いのでしょう。以前も何かのお話しで畠中さんは、ああいう感じの唐突な終わり方をしているし。結末はもちろん想像がつくとはいえ、何となくモヤっと感が残りました。
などと文句を言いつつも、新刊が出れば読むわけですが。
↑ハードカバー