水道事業の民営化はありえない~勝手に応援!「ビッグイシュー日本版」(VOL.429 2022.4.15)~
「ビッグイシュー日本版」を勝手に応援する記事第32弾です。そもそも「ビッグイシュー日本版とは何か」をご説明した第1弾は、以下をご覧ください。
今号の特集は、「恐れない都市『フィアレス・シティ』」です。
フィアレス・シティとは、簡単に言えば「市場優先の政策に反旗を翻す自治体」のことです。例えば最初に提唱したバルセロナ市では、「『抑圧的なEUや国家政府、多国籍企業、マスメディアを恐れず』『難民の受け入れを恐れず』『地域経済と地域の民主主義を発展させることによる制裁を恐れず』という、3つの『恐れず』を宣言してい」るそうです。
具体的な行動としてはパリ市のように、一度民営化していた水道事業を再公営化することなどを指します。パリ市では、「1985年に水道事業がコンセッション方式で民営化されてから2009年までに、なんと水道料金が265%も値上がりした」そうで、再公営化ということになったわけです。
日本の自治体でもすでに、あるいはこれから水道事業の民営化を考えているところがありますが、とんでもない結果につながるのは、目に見えていますよね。
なお再公営化後、パリ市では「市内に無料給水所をいくつも設置して、移民や難民、ホームレス状態の人たちなど、適切な住居がないために水道にアクセスできない人たちの『水への権利』を保障している」そうです。
これ、とても大事なことだと思います。日本でも、例えば生活保護を受けている人が、毎月の水道料金を払えないため、日々飲む水としてミネラルウォーターを買う、というケースがあるそうです。つまり、水道料金としてまとまったお金は一度に出せないけど、毎日数百円の水を買うことには抵抗がないため、結果的に水道料金を払うより高いお金を飲み水に使ってしまう訳です。
もしパリのように無料給水所があれば、少なくともそのような本末転倒ともいえる行動は防げますよね。さらに言えば、ペットボトルのゴミの削減にもつながりそうだし。「旅するためのイタリア語」で観たローマのように、炭酸入りの水も無料で汲めれば、更に言うことなしですが。
なお斎藤幸平さんの『人新世の「資本論」』で、水道の民営化の問題点を、以下のように説明していました。
「池内了の市民科学メガネ」の以下の一節も興味深かったです。
これは「ピグマリオン効果」と呼ばれますが、感覚的に分かります。いわゆる「出来ない子」の中には、まさに「この子は優秀になる可能性がある」と思える子がいるんですよね。確かに、少しでも良いところを見つけて励ましたりします。それで学力が上昇するかというと……うーん、感覚的には50%ぐらいでしょうか。出来ない状態を脱する子もいれば、どうしても伸びないというか、少なくとも私の力では伸ばせない子もいるので。
これは怖いです。少なくとも、「この子は伸びない」と決めつけることだけは、しないようにしなければ。決めつけたことは一応ありませんが、一生懸命励ましつつも、どこかで無理かもと思っていたことは無くはないので。
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コロナ禍のあおりで、路上での「ビッグイシュー」の販売量が減少しているそうです。3ヵ月間の通信販売で、販売員さんたちを支援することもできます。
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