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「日本語の先生」の先生ー日本語教師養成講座の講師の裏側

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このマガジンでは、日本語教師養成講座ではたらく私がどのようなことを考えて授業をしているのかについて書いています。日本語教育に関わる現場の声や理論の解説は巷に溢れていますが、ここで…
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#教育

参政権と外国人児童生徒

参政権と外国人児童生徒

いわゆる外国人児童生徒、あるいは、日本語指導が必要な児童生徒には、外国籍者と日本国籍との二重国籍者が含まれます。18歳から投票することになり、日本国籍を持つ生徒の場合は投票権をもつことができます。また、外国籍であったとしても、自治体レベルでは住民投票に参加したり、その他さまざまな形で政治的に参画していくことができます。しかしながら、日本語能力の不十分さを個人の未成熟さに還元する世の中ですので、なか

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自分の立ち位置を理解する

自分の立ち位置を理解する

よく日本語教育の評価法に関しては「ハローエフェクト」や「対比誤差」について扱われていますが、対比誤差の話をするときに関連づけてある話をします。

あなたは日本のどの辺にいるのか?

よく日本語教師養成講座に来る人は、私はただの主婦なので、そんな大した仕事はしていないのでと言います。しかし、多くは大学を卒業していて、それなりの社会人経験があります。

進学者と就職者に優劣があるだとか、専門学校や短期

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オンライン授業とその裏側

オンライン授業とその裏側

勤務先はオンライン授業になりました。
とてもつらいです。いろいろな理由があります。
教員養成の立場としてもどのような心構えでこの状況に立ち向かう教師を育てるのが最善かとても悩みます。
今回は、可視化されるものという視点でまとめます。

不均衡な負担の可視化

 オンライン授業に適時移行することは学びを止めないという考えに沿い、否定すべきものではありません。
 しかし、非常勤講師は基本的に授業時間に

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いろいろな学び方を受け入れる

いろいろな学び方を受け入れる

みなさんは、文章を読むとき、音読派ですか?黙読派ですか?
たぶん多くの人は黙読派で、つまづいたら音読してみたり、それについてリアクションを声に出してみたりしているのではと思います。そして、それは教室での学習活動でも同じなのですが、読むスタイルの違いが思わぬ価値観の対立を浮き彫りにすることがあります。

話しながら読むのは真面目じゃない学習者?

 日本語の読みの流暢さが足りないと音読が混じったり、

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