最短で知識を身に付ける『インバスケット読書術』をまとめた。
そもそもインバスケットとは
制限された時間内に主人公の立場になりきり、お客様からのクレームや部下からの相談など、どの職場でも起こりうるような案件を、的確に、かつ迅速に、精度高く処理を行うことができるのかを測るシミュレーション演習です。
(引用:インバスケット・トレーニング情報サイト インバス!)
では、そのインバスケットをどのように読書に応用するのか、以下をご覧下さい。
1.インバスケット読書術の考え方
本はただ「読む」のでは意味がありません。ただ文字を読んでいっても記憶に残りづらいからです。
本は「目的を持って読む」ことが大切です。その本を読んでどうなりたいのか、何を得る為に読むことにしたのか。
この記事を読んでくださっている方は、「効率よく知識を身に付けたい」などと思って開いてくださったのではないでしょうか?
その目的意識が大切なのです。
インバスケット読書術とは、目的を持って読書し、得た知識を「使う」というプロセスを大切にする読書術、迅速かつ精度高く知識を身につけ、「活用」するための読書術なのです。
2.効率の良い本の読み方
では、実際に精度高く知識を身に付け、活用するにはどうしたら良いのか、3つの方法をご紹介します。
①読まない勇気を持つ
短い時間で多くの情報を処理するためやるべきことは「読まない選択」です。必要な情報を選択し、内容の大枠を捉えるのです。
せっかく買った本だから全て読まなければもったいないと思わず、バイキングで好きなものだけを選ぶように、必要な情報だけを取り入れるようにします。
時は金なりというように、時間の浪費こそもったいないのです。
2:8の法則(パレートの法則)という法則があります。「世界の富の8割は2割の富裕層が保有している」や「企業の売上の8割は2割の社員がつくっている」というものです。
本に置き換えるならば、「著者が伝えたいことの8割は2割の文章に詰まっている」ということです。2割の文章さえ読めば殆ど理解できるのです。
では、その2割を一体どう判断するのかですが、至ってシンプルで、見出し、小見出し、太字を読むのです。
見出しや、小見出しは、要点を短い言葉でまとめたものです。太字は特に強調して伝えようとしている部分です。他の文章はこれらを補足するためのものですから、見出しや太字を読んでも意味が掴めない時に説明を探すように活用しましょう。
②概算する力を付ける
人は“おおよそ”が分かれば大体のことは判断出来ます。
例えば、欲しいものを買いに来ており、店員さんに「これはいくらですか?」と聞いたとします。店員さんがすぐに「30,000円くらいです」と答えた場合と、時間をかけてしっかり調べてくれて「30,800円です」と答えた場合で、結果は変わるでしょうか?本当に欲しいものであればどちらでも買うはずです。
このように全てを正確に把握せずとも判断は出来ますので「時短」のために積極的に概算を活用しましょう。
③異常値を探す
異常値とは、通常ではない値です。平均100%の利益が出る企業においては、150%や30%の利益の時が異常値です。異常値となった要因や原因を知り、改善することで成長に繋がります。
「え?」と思うこと、違和感を覚えることこそ、自分が“普通”と思っていない部分であるため、引き出しを増やすきっかけになるのです。
気付きが少ない人は、共感することにばかり意識が向いているため、引き出しが増えにくいのです。
効率的に新しい知識を得るためには「①読まない勇気」を持ち、必要な情報にフォーカスすること、「②概算する力」を付け、内容を理解しつつ時短をすること、「③異常値」を探し、新しい発見をすることの3点を意識して読書をすれば良いのです。
3.本を読む「ゆとり」の作り方
さて、ここまでで効率の良い読書法についてご紹介しましたが、それでもなかなか本を手に取る時間がない、そう思っていらっしゃる方に本を読む時間作りの方法をご紹介します。
❶今までやっていたことをやめて時間を作る
❷あらかじめ読書をスケジュールに入れる
の2点です。❶は夕食後にテレビを観る時間を読書に充てるなど、習慣を変えるということですので、難しいかもしれません。
ですが❷はどうでしょう?例えば毎週土曜日の朝は7時に起きて30分読書をするなどと決めてしまえば、普段の習慣を大きく変える必要はなく、取り掛かりやすいのではないでしょうか。
「ゆとり」は意識して作るものです。ゆとりがないとインプットが減り、知識が身に付かないためアウトプットが貧弱になるという悪循環に陥ります。
「本を読む」という行為からは離れてしまいますが、本の要約を読むことや、要約しているYouTubeを見ることも効果的です。要約は既に重要な部分だけを抜き取ってくれているからです。
ただし、貴方が本を読んで重要と思う部分と、要約した人が重要と思った部分ではズレが生じる可能性があるということに注意しましょう。
自分に合うやり方でゆとりを作り、目的を意識しつつ、効率的に知識を身につけていきましょう。
この記事は、鳥原隆志さんの『インバスケット読書術』をまとめたものです。かなり端的にまとめておりますので、気になる部分があった方は是非、手に取っていただければと思います。
最後まで読んでくださりありがとうございました。