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「チェ・ゲバラの遥かな旅」戸井十月 読書感想文

今日の夕方に読み終えたばかりの伝記的なノンフィクション・ノベル。言わずと知れた革命家、エルネスト・”チェ”・ゲバラの39年の生涯が綴られています。

作者の戸井十月さんは、若い頃からゲバラに惹かれていたそう。アルゼンチンに生まれて医師になり、キューバ革命に参加、ボリビアで処刑されるまでが丁寧に描かれており、行間からはゲバラに対する愛情が感じられます。

私自身も子供の頃にゲバラを知って以来、魅了されている一人。その人生がどんなものだったかは既に知っています。だから最期が近づいてくるのが辛くて、なかなか読み進められませんでした。

思想や信条以上に、ゲバラの魅力はやっぱり人柄。知的で冷静でありながらも、ロマンチストで情熱的。そして何よりも愛情深い人だったことがうかがえます。

二度の結婚で五人の子供をもうけたそうですが、最後まで革命家としての生き方を貫き通します。それでも決して家庭を顧みなかった訳ではないんですよね。共にいなくても、家族にはその事がちゃんと伝わってたんだと感じました。

この人の愛情深さは、家庭や国といった器には収まりきらなかったのかな。いまだにゲバラに惹かれる人がいるのは、その豊かな愛情ゆえかもしれません。

次に読むのは、沖守弘さんの「マザー・テレサ あふれる愛」。ゲバラとは一見対照的ですが、恵まれた暮らしを捨てて愛情豊かに生きた点は共通してますよね。楽しみだな。

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